9月3日にTJドヘニーと防衛戦、圧倒的有利は不動
プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)が9月3日に東京・有明アリーナで元IBF同級王者テレンス・ジョン・ドヘニー(37=アイルランド)との防衛戦に臨む。
自身のSNSでは腹筋や背筋が見事に隆起した肉体を映した写真をアップし、「試合一週間前のトレーニングも終了しました!!スーパーバンタム級の体が出来上がって来た」と投稿。調整は順調に進んでいるようだ。
ドヘニーはWBA6位、WBC7位、IBF7位、WBO2位にランクされる元IBF王者。2023年6月に井上と同門の中嶋一輝(大橋)に4回TKO勝ちでWBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級王座を奪うなど、日本でもお馴染みのボクサーだ。
井上が5月6日に東京ドームでノックアウトしたルイス・ネリ(メキシコ)が計量オーバーなどをした場合、代役としてリングに上がる予定だった。結果的にはネリが無事に計量をクリアしたため、ドヘニーはアンダーカードでブリル・バヨゴス(フィリピン)に4回TKO勝ちしている。
当初、井上の次期防衛戦の相手候補だったIBF・WBOスーパーバンタム級1位サム・グッドマン(オーストラリア)が9月の対戦に難色を示したため、ドヘニーが急浮上。今回の対戦に至った。
パワーと経験のあるドヘニーだが、37歳でピークは過ぎており、26勝(20KO)4敗のうちの1敗は、2023年3月にグッドマンに喫したもの。グッドマンの代役としては力不足を指摘する声もある。
井上の調整が万全となれば圧倒的有利は動かない。怖いのは油断と、出合い頭のカウンターをもらってワンパンチで倒されるパターンだけだろう。焦点はモンスターが何回でノックアウトするかと言っていい。
日本選手の世界戦勝利数ランキング
井上は今回で28戦目。これまで27戦全勝(24KO)のパーフェクトレコードを誇り、あらゆる記録を塗り替えてきたモンスターが、ドヘニー戦に勝てばついに単独トップに立つ記録がある。日本選手の世界戦勝利数だ。ランキングは以下の通りとなっている。
世界戦22連勝、世界戦20KO勝ちなどほぼ全ての日本記録を更新
プロ6戦目でWBCライトフライ級王座を奪って以降、井上は全て世界戦のリングに上がっている。積み上げた白星は22個。長年にわたり、追いついても追い越せなかった井岡一翔(志成)が7月7日に敗れたため、井上が次戦で勝てば単独トップの23勝となるのだ。
表にある通り、3位の具志堅用高は14勝と大きく引き離している。井岡はWBA・IBFスーパーフライ級王者フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)と大晦日に再戦すると一部で報じられているが、いずれにしても9月の試合に勝てば井上は単独トップに浮上する。
そのほか、世界戦の連勝記録は断トツの22連勝、世界戦のKO勝利数も20勝で2位以下をぶっちぎる独り旅。世界戦8連続KO勝利、世界戦KO率(90.9%)なども含め、ほぼ全ての日本記録を塗り替えている。世界戦の勝利数で単独トップに立てば、名実ともに「日本ボクシング界歴代最強」の称号を得ることになる。
世界で最も権威があるとされるアメリカのボクシング誌「ザ・リング」でパウンド・フォー・パウンド2位にランクされている時点で日本歴代最強は間違いないのだが、記録上も全項目クリアとなるわけだ。
9月3日、我々はどんな光景を目にするのだろうか。ネリ戦はまさかのダウンを喫してハラハラさせたが、ドヘニー戦は世界を驚かせるような、完璧なノックアウト勝利が期待される。
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