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【ボクシング東京ドーム決戦】井上尚弥のフィニッシュブローを予想、ネリを倒すKOパンチは?

2024 4/17 06:00SPAIA編集部
井上尚弥とルイス・ネリ,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

サウスポーに4戦4勝4KOの井上尚弥

プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)が、5月6日に東京ドームでルイス・ネリ(29=メキシコ)を迎え撃つ防衛戦まで3週間を切った。

井上有利が予想されるが、試合はどんな展開になるだろうか。ネリは好戦的なサウスポー。井上の強打を警戒してフットワークを使うことも考えられるが、ガードが堅いわけでもないため、前に出てくれば早いラウンドで終わる可能性もある。いずれにしても井上の有利は動かない。

井上はこれまでオマール・ナルバエス(アルゼンチン)、フアン・カルロス・パヤノ(ドミニカ)、マイケル・ダスマリナス(フィリピン)、マーロン・タパレス(フィリピン)と4度、サウスポーと対戦。ナルバエスは2回、パヤノは1回、ダスマリナスは3回、タパレスは10回でいずれもKO勝ちしている。

右構えの場合、右ストレートが遠く感じるサウスポーを苦手にするボクサーは少なくないが、井上には当てはまらない。右でも左でもあらゆるパンチを打て、多くのコンビネーションを持つため攻め手に事欠かないからだ。

井上がネリにKO勝ちするならフィニッシュはどのパンチになるか。過去の試合も参考に予想してみたい。

フィニッシュ予想:左ボディー

左ボディーフックは井上が最も得意とするパンチのひとつ。ノニト・ドネア(フィリピン)との第1戦で5階級制覇の名王者を悶絶させたシーンは圧巻だった。

サウスポーと対戦する場合、左ボディーは相手の右肘や右腕でブロックされやすいため簡単には当てられない。しかし、井上は多彩なパンチを繰り出して相手のガードを上げさせ、その隙を逃さずにがら空きのボディーに強烈な左フックをめり込ませて倒してきた。

ナルバエス戦もそうだった。計4度のダウンを奪って2回KO勝ちしたが、フィニッシュは左ボディーフック。フライ級王座を16度、スーパーフライ級王座を11度防衛した王者が、まだ21歳、8戦目だった井上の左ボディーを受けると顔を歪めて立てなかった。

試合後にナルバエス陣営から、グローブの中に何か仕込んでいるのではないかと疑われ、チェックされた逸話は有名だ。それほど井上の左ボディーは強烈だった。

右アッパーを顔面に突き上げてから左ボディー

バンタム級王座の防衛戦で3回TKO勝ちしたダスマリナス戦も、フィニッシュは左ボディーフック。2ラウンドの最初のダウンは左ボディーからの連打、3ラウンドも左ボディーで2度倒し、レフェリーが試合を止めた。

パンチの強烈さが際立っているため見逃されがちだが、井上が巧みなのは左ボディーを当てるための布石だ。実は右アッパーを顔面に突き上げてから左ボディーを当てるコンビネーションが少なくない。

ダスマリナス戦の最初のダウンも断面への左ジャブから右アッパーを突き上げ、左ボディーフックのコンビネーションが効いていた。もちろん、右ストレートから左ボディーフックを返す場合もあり、コンビネーションは多種多様だ。

井上はジャブ、ストレート、フックと多彩なパンチを放つが、アッパーはそれほど多くない。最新のマーロン・タパレス(フィリピン)戦でも、SPAIA集計では全パンチのうちアッパーは左右合わせて7%にすぎなかった。ただ、有効打だけをカウントするとアッパーは14%と2倍に増え、いかにアッパーを効果的に使っているかが分かる。

相手が自分より大きい場合はアッパーを当てにくいが、ネリは井上とほぼ同じ身長165センチ。右アッパーから左ボディーという得意のコンビネーションで倒すシーンが見られるかもしれない。

フィニッシュ予想:左フック

井上は左フックも強烈な武器のひとつだ。特にサウスポーに対してはテンプル(こめかみ)を狙いやすいため、有効なパンチとなることが多い。

ナルバエス戦の2回に奪った3度目のダウンも左フックのカウンターだった。相手が打ってきた右フックをかわして左フックをテンプルにクリーンヒット。ダメージを蓄積させるボディーブローとは違い、左フックはたった一発で仕留める破壊力を持っている。

タパレス戦の4回に奪った最初のダウンも左フックがきっかけ。タイミングよく顎を捉え、タパレスがぐらついたところをロープに詰めてラッシュし、ダウンを奪った。

好戦的なネリが専守防衛に徹するとは考えにくく、前に出てくるシーンは少なくないだろう。井上は左ジャブをおとりに使って、相手が打ち返してきたところに左フックを合わせるコンビネーションも得意。世界中の猛者を倒してきた井上の罠に、ネリがハマる可能性も十分にある。

フィニッシュ予想:右ストレート

衝撃の70秒KO劇を演じたパヤノ戦のフィニッシュは右ストレートだった。1ラウンド、まだほとんど手を出さず睨み合っていたが、狙いすました左ジャブからのワンツーパンチで相手を後ろ向きにダウンさせた。

日本人の世界戦最速KO勝利となった秒殺ノックアウトは、スピード満点の右ストレートが生み出した新記録だった。

タパレス戦もフィニッシュは左ジャブからの右ストレート。ガードをかすめるようなワンツーだったが、相手のダメージが蓄積していたこともあり、タパレスは起き上がれなかった。

サウスポーに対しては、いきなり放つ右ストレートも有効だ。同じパンチでも角度を変えたり、タイミングをずらしたりしながらクリーンヒットさせるのが井上の真骨頂。満員の東京ドームでどんなフィニッシュシーンが見られるか楽しみだ。

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