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Bリーグアーリーカップ関東 決勝に残ったアルバルク東京と栃木ブレックス

アルバルク東京,Ⓒマンティー・チダ
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Ⓒマンティー・チダ

アルバルク東京が連覇達成!アーリーカップ関東

リーグ戦や天皇杯と並び三大タイトルと位置づける「B.LEAGUE EARLY CUP 2018」は、全国6地区で熱戦が繰り広げられた。昨年と同じ顔ぶれで行われた関東は、栃木ブレックスのホームである「ブレックスアリーナ宇都宮」で開催。決勝に残ったのは、昨年に続き2年連続進出のアルバルク東京(以下A東京)とホームアリーナの大声援を味方に勝ち上がってきた栃木ブレックス(以下栃木)だった。

1Q立ち上がりから互角の戦いを続けた両チームだったが、終盤にA東京#53アレックス・カークの3pシュートを皮切りに、#13菊池祥平のレイアップとアシストからカークの得点でリードを広げて、A東京7点リードで1Qを終了する。

2Qに入っても優位に試合を進めるA東京だったが、ホームの大声援に押された栃木も反撃を開始。オフィシャルタイムアウト明けに7点ビハインドの栃木は、#9遠藤祐亮のカットインや#22ライアン・ロシターの3pシュートなどで2点差まで詰める。残り2分を切ったところで3pシュートを決めたロシターが、その後も3連続得点で逆転に成功し、栃木が3点リードで前半を終えた。

後半、栃木はロシターが得点源となり、A東京は#10ザック・バランスキーが内外問わず得点を重ね、互角の戦いが続く。4Qの初め、栃木は#4ジェフ・ギブスのスティールをきっかけに#10竹内公輔の得点で5点リード、A東京は残り8:46でタイムアウトを請求する。タイムアウト後に息を吹き返し、カーク、#3安藤誓哉、菊池のバスケットカウントでA東京は巻き返しをはかる。

一方、#30山崎稜が2回連続で個人ファウルをコールされて相手にフリースローを献上した栃木。A東京#51ミルコ・ビエリツァに3pシュートを許し、同点とされ残り3:35にタイムアウトを請求する。残り0:43に栃木#13渡邉裕規がアンスポーツマンライクファウルを宣告され、これで獲得したフリースローをA東京・カークは2本成功させた。その直後のオフェンスで、#1小島元基が逆転3pシュートを放ち勝負を決め、72-70でA東京が栃木を下し、アーリーカップ関東連覇を達成した。

アルバルク東京

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ベンチ登録8人で制したアルバルク東京

アーリーカップ関東を2年連続で制したアルバルク東京。昨年は千葉ジェッツのホーム「船橋アリーナ」、今年は栃木ブレックスのホーム「ブレックスアリーナ宇都宮」と、それぞれアウェイの厳しい状況下で決勝を戦い、勝利した。

今大会、チームの中心選手である田中大貴、馬場雄大、竹内譲次がワールドカップアジア2次予選に召集されていたため、残り9名(外国籍選手の関係でベンチ登録は8名)で戦ったアルバルク東京。5選手出場のスポーツで、ベンチに3人のみというのは非常に厳しい。しかし、フルメンバーで出場した栃木ブレックスに僅差ながらも勝利したのだ。

3選手を代表に出している川崎ブレイブサンダースもアルバルク東京と同じ状況だったが、初戦で敗退し5位に終わっている。アーリーカップの存在をプレシーズンマッチと同等と捉え、選手を試しながらのチームが見えた中で「ベンチ登録8選手で制したアーリーカップ」は試す以上の効果があった。

ルカ・パヴィチェヴィッチHCは栃木ブレックスとの一戦を「タフなゲーム、ハードなゲームだった」と繰り返し「中心選手がいない中、良く戦った。ここまで練習したらここまで結果を証明できる。今後のモチベーションの材料にしたい」と力を込めた。

8人の登録選手でタイトルを獲得したアルバルク東京は、結果以上のものを得た。10月から始まる長いリーグ戦でも、この日の経験は厳しい状況に陥った時に「モチベーションを上げる」材料となるだろう。そして強さを超えた「強靭」なチームとして、今シーズンリーグ戦開幕を迎える。

アルバルク東京

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田臥勇太「手応えしかない」、決勝で敗れた栃木ブレックス

ホーム「ブレックスアリーナ宇都宮」の大声援を後ろ盾にアーリーカップ初制覇を目指した栃木ブレックスだったが、惜しくも決勝で敗れた。

開口一番に「手応えしかない」とコメントする主将#0田臥勇太は、「個人としてもチームとしても先に繋がる2試合だった」と冷静に振り返った。

アルバルク東京とは違い、フルメンバーで臨んだ栃木ブレックス。考えてみれば、昨年のアーリーカップは故障者も多く、渡邉もギブスも不在だった。古川孝敏が琉球に移籍したばかりとあって、チームも機能していなかった。結局そのままシーズンに突入していまい、開幕から10戦で3勝7敗と大きく出遅れ、ヘッドコーチも交代に至った。

それに比べ今季は、メンバーも変わることなく、山崎、#21橋本晃佑、#11田原隆徳らで賄える目途は立ったようだ。昨季3P成功率王の#31喜多川修平がケガで長期離脱になったのは痛いが、おそらく昨季のような出遅れはないと考えて良さそうだ。

昨年同様にアーリーカップのプレータイムを制限した田臥自身も、悪い印象は無く、コンディションも明るく「バッチリです」と答え「計画通りにステップを踏んでいる段階。例年通りですし、例年以上にあげていければいいというイメージを持っている」と順調ぶりを伺わせた。

Bリーグ初代王者が返り咲きを果たすためにも、開幕までどこまでステップアップできるのか注目したい。

アルバルク東京VS栃木ブレックス

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