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【Bリーグ】広島ドラゴンフライズの日本代表・寺嶋良が雪辱勝利に貢献

2021 12/6 17:00窪島亮
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4日に敗れた大阪エヴェッサを4点差で下す

日本代表戦のバイウィーク明けの12月4日の試合はB1西地区のライバル・大阪エヴェッサに86対78で敗れた広島ドラゴンフライズ。5日の2試合目は83対87と僅差ながら勝利を収めた。

チャールズ・ジャクソンがケガで欠場し、朝山正悟もベンチには入ったもののプレーできないと見られていて、実質8人で戦わざるを得ない窮状。先週、初めて日本代表でコートに立ちチームトップの16得点と目覚ましい活躍を見せた寺嶋良が、チームに戻って初めての2連戦で前日の悔しさを晴らすプレーを見せた。

前日、18回の試投でわずか1回の成功に沈んだ3ポイントシュートが広島の敗因だった。5日は初めて先発に抜擢された船生誠也がその3ポイントシュートを開始早々に成功させ、嫌なムードを払拭。昨年得点王のニック・メイヨも好調で第1Qから得点を量産、16対21とリードして試合最初のクォーターを終えた。

第2Qに入ると一進一退の試合展開が続くが、残り時間7分9秒で寺嶋がコートに戻ると、広島がジリジリと得点差を広げ始める。前日3ポイントシュート6本中、成功がゼロだったシューターの辻直人はドライブに活路を見出そうとしていたようで、ゴールへ切れ込むプレーを多用した。

そこで得点を重ねたことで相手ディフェンスも収縮し、アウトサイドのシュートをフリーで打つことができる可能性も増す。その成果が出たのが第2Q最後のプレーで、辻は右からの3ポイントシュートを成功させ前日の不甲斐なさを克服してみせた。得点も33対45、広島が安心してプレーできる点差をつけられた。

一時は同点に追いつかれるも

第3Q、積極的にゴールへドライブする寺嶋が得点を決め、バスケットカウントも手にする。さらにドライブを狙うと、ゴールは落ちるもののグレゴリー・エチェニケがオフェンスリバウンドを手にし、大阪からファウルをもらうことに成功した。

いったん残り時間5分3秒で寺嶋はベンチへ退くが、再び2分14秒でコートに戻る。ここでは寺嶋の代わりのポイントガード、青木保憲もコートに残り、いわゆる2ガード隊形となった。

辻をベンチで休ませている間のこの隊形で、広島は寺嶋の3ポイントシュート成功率45.3%という得点力を生かす作戦に出た。寺嶋は果敢に敵陣に走り込んでトーマス・ケネディへパス。ケネディはファウルを誘発しフリースローを沈めた。寺嶋は左サイドからの3ポイントシュートも沈め、徐々に点差を広げていく。

ただ、大阪もこのままでは終わらない。エースのディージェイ・ニュービルが得点を量産、2ポイント、3ポイントと縦横無尽にシュートを決める。ついに中村浩陸が左サイドからの3ポイントシュートを決めて、一度もリードを許さなかった広島がこの試合初めて追いつかれた。

明確な寺嶋の役割

しかし、絶体絶命の場面で辻が3ポイントシュートを狙いファウルをもらう。このプレッシャーの掛かる場面で辻は3本ともフリースローを決めて3点差。

ニュービルがファウルをもらったがフリースロー1投目を失敗、2投目は決めたものの、ファウルゲームでフリースローを得たケネディが着実に2本とも成功させ、ゲームオーバー。実力者同士の息詰まる熱戦は広島に軍配が上がった。

メイヨ、エチェニケ、辻とタレントの揃う広島では、ポイントガードの寺嶋の役割は明確だ。的確に状況判断し、彼らに良いパスを出すことが求められる。

その意味でメイヨが28得点と活躍し、辻も16得点と前日の悔しさを晴らしたことは、イコール寺嶋の功績と言える。寺嶋の得点力を生かした2ガード隊形は成果はさほど出せてはいないが、辻のいない時間帯では貴重な手札である。選手層が薄い現状では次戦以降も多用されていくだろう。

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