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NBA通算アシスト1位は更新不可能!?現役選手との比較で凄さが明らかに

2018 3/25 13:00OSはーでん
ジョン・ストックトン
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Ⓒゲッティイメージズ

NBAにおけるアシストとは

様々な球技で”アシスト”は存在するが、バスケットやNBAにおけるアシストはどういったものを指すのか?
バスケットにおけるアシストとは、シュートを決める以前の最後のパスのことを指し、シュート前の過程に詳細な定義は設けられていない。

NBAやNCAA(米・大学)、その他プロフェッショナルリーグにおいては、「シュートに直接つながる最後のパス」という定義が加わる。具体的な例としては、ゴール下にいる味方に出すパス、速攻でのレイアップにつながるパス、フリーの味方へのオープンシュートにつながるパスなどが挙げられ、ドリブルが行われた場合にもアシストと判断されることがある。

しかし、最終的にはバスケット成績の統計者によって、アシストかどうかの判断が行われる。加えてNBAでは「パスを受け取ったプレイヤーが、すぐに得点を取る動きに入った場合」と、さらに細かく定義が指定されている。どのカテゴリーでも共通していることは、「1回のシュート成功につき1アシストが与えられる」という点である。

NBA通算アシスト1位は正統派PGのストックトン 2位とは3000本以上の差

では、NBAにおける通算アシストランキングを見てみよう。

※今回のランキングはNBAでのアシストのみ。ABA/NBAでプレイしている選手の、ABAでのアシストは含めていない。

NBAにおける通算アシストランキング

ⒸSPAIA(2018/03/04現在)

10,000アシスト以上を記録しているのは5人のみ。中でもストックトンは2位と3,000本以上も差をつけて、唯一15,000本を突破している。この記録はNBAにおいて、更新することが最も難しい記録の一つであるだろう。

ストックトンのパスは正確で鋭く、まるで矢のように飛んでいく。さらに、パスを出す角度の変え方やタイミングのとり方が素晴らしく、冷静にコートの状況を把握して一瞬の隙をつく。

そして、ストックトンを語る上で外せないのが、カール・マローンの存在だ。マローンとストックトンはなんと18シーズンもの間コンビを組み、最強のピック&ロールでマローンは得点を、ストックトンはアシストを量産。マローンがいなければ、ストックトンのアシストはもっと少なかったかもしれない。

現役のプレイヤーで唯一トップ10にランクインしているのが、9位のクリス・ポール。もし、ポールがストックトンの記録を抜こうとするならば、これから約9シーズン(41歳まで)フル出場をしながら、現在のペースでアシストを記録する必要がある。”ポイント・ゴッド(ポイントガードの神)”と呼ばれるポールにさえ、ストックトンの記録は遥か遠くにある記録なのだ。

※2 主に80年代~90年代にピストンズで活躍したアイザイア・トーマス

1試合平均アシスト数第1位は”マジック”・ジョンソン

続いては、キャリア平均の1試合でのアシスト数ランキング。こちらもNBAでの成績のみである。

キャリア平均の1試合でのアシスト数ランキング

ⒸSPAIA

1位は80年代のレイカーズ黄金期を支えたマジック・ジョンソン。206cmの大柄ながらポイントガードを務め、バスケットの常識を覆した選手の一人。

マジックの代名詞はなんといっても、”ノールックパス”。パスをする相手を見ずに繰り出すパスで、ディフェンスは目線とパスの方向が違うために翻弄される。さらにマジックはパスを出す直前に、身体の周りでボールを回したり逆方向にパスフェイクをしたりと2回3回のフェイクを織り交ぜる。

このようなパスは当時革新的なプレイとして人気を博し、マジックを中心としたレイカーズのオフェンスは”Show Time”と呼ばれていた。32歳になる年にエイズが発覚し、若くして引退を余儀なくされたが、誰もが認める最高の選手の一人として今もなお根強い人気を誇っている。

平均アシスト数第1位として、またアシストの新たな可能性を開いた選手のマジック。彼の功績は計り知れないものがあり、現代のNBAにも多くの影響を与えた選手だろう