WBCが定める出場資格とは?
まずWBCが定める選手資格について見ていく。
【WBCへの出場資格】
選手は下記の条件のうちいずれか一つに該当すれば、各代表チームへの出場資格を得ることができる。
・当該国の国籍を有する。
・当該国の永住資格を有する。
・当該国で出生している。
・本人の親のどちらかが当該国の国籍を有する。
・本人の親のどちらかが当該国で出生している。
出典:スポーツ報知(2009年3月19日)「【教えてWBC】<<14>>WBC出場資格は?」
オリンピック憲章のように明確に決められていないため、選手によっては、複数の国の代表資格を持つ場合がある。
日本のWBCメンバーは相談と調整で決められている
日本の場合、WBCのメンバーはどのように決定しているのだろうか。日本では基本的に、国内・MLBで活躍しているプロ選手から選ばれる。これは、他国チームもプロ選手を代表として選んでくるからだ。
さらに選手の起用には日本代表監督やスタッフの要望、本人の希望だけでなく、所属チームとの交渉が必要となる。WBCの開催時期がシーズン前の大切な調整時期だからだ。そのため、所属チームからも選手起用の理解と協力を得ることが必須条件となる。
不足の事態が生じたときにはすぐに代わりの選手を
2017年のWBCでもそうだったが、選手の怪我や故障から、代表メンバーが入れ替わることが度々あった。
特に2017年のWBCで大きなニュースになったのは、北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手が、右足首の怪我でWBCの登録選手枠から外されたときだ。
このときは、すぐに福岡ソフトバンクホークスの武田翔太選手が起用された。こうした選手の速やかな補充を可能としているのは、所属チームから選手起用の理解と協力を得ているからだろう。
なぜ日本人メジャー選手の不参加が相次いだのか?
選手起用の点で、2017年大会でもう一つ話題となったのが、日本人メジャーリーガーの相次ぐ不参加だった。
背景には、彼らが所属するチームの事情とMLBの開幕シーズンが関係しているとされる。まずWBCがMLB開幕直前ということもあり、ケガのリスクを冒してまで出場するよりチームで調整してほしいと考える球団からすると、可能な限り選手を出したくない。
選手自身もコンディションを整えてシーズンをスタートさせたいという理由から、直前はチームでの調整に専念したいと考える可能性があるのも当然だ。
日本とは異なり、「WBCよりもMLBのシーズンを優先してほしい」という希望がMLBの各球団にあることが、所属する日本人選手に不参加が相次いだ理由だ。
選手が参加するには日程の調整と知名度向上が必要
チームによってはプロ選手として、自国の勝利よりもチームの勝利を優先しなくてはならないのが、選手たちに課せられた責任でもある。日本以上にシビアな契約社会のアメリカでは、チームの役に立たないと自らの選手生命に関わる可能性があることから、WBCに二の足を踏むのも仕方ない。
こうした背景には、WBCのスケジュールがプロ選手たちにとって適切ではないことや、WBCに出場する意義が各国のプロチームやスタッフたちに浸透していないことが要因として挙げられる。出場したい選手たちが出られるようなスケジューリングや啓発活動が、今後のWBCに求められるのではないだろうか。
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