矢野監督が明言、西勇輝がスライドで登板予定
新型コロナウイルスの影響で、NPBの開幕が4月10日以降へと延期になった。すでに、ほとんどの球団で開幕投手が発表されていたが、すべて仕切り直しとなる。とはいえ、従来と同じ金曜日開幕が基本線との報道がなされており、アクシデントがなければ、すでに指名されているエース格の投手たちが日にちを改めてマウンドにのぼることとなりそうだ。
阪神の場合は、移籍2年目となる西勇輝が開幕投手を務める予定。矢野燿大監督も開幕の延期が発表された後に「オレのなかで変わりはない。日程が変わったからといってそこを変えるといったことは現状ない」と明言している。昨シーズンチーム唯一の2ケタ勝利(10勝)を挙げた右腕を信頼し、大事な初戦に送り込むつもりだ。
移籍2年目にして指揮官からの信頼を勝ち取った西は、阪神で開幕投手を務めるのは初めてだが、オリックス時代は2018年に1度だけ開幕のマウンドに登った。
ソフトバンクのエースである千賀滉大との投げ合いとなった試合は、緊迫した投手戦となる。両投手とも7回まで無失点と1点が大きく試合を左右しそうな展開で進んでいく。そんな中、西は8回に捕まり2失点。回の途中でマウンドを降り、そのまま敗戦投手となった。
今年は自身2度目の大役で開幕戦初勝利を狙うことになる。
メッセンジャーは歴代の名投手たちと肩を並べる
近年阪神の開幕投手は、昨シーズン限りで現役を引退したランディ・メッセンジャーが多く務めてきた。2013年から昨年までの7年間でその数は6回にものぼる。外国人投手の開幕投手としては、球団はもちろんNPBでも最多となっている。
また、阪神では日本人選手を含めても最多タイとなる回数だ。メッセンジャー以外に6回開幕投手を務めたのは、「投げる精密機械」こと小山正明とシーズン401奪三振の記録を持つ江夏豊の2人。ともに名球会入りを果たしているレジェンドである。
メッセンジャーは2015年から2019年までの5年連続で開幕投手を任されたが、この連続先発記録も阪神では最多タイ。同数での1位タイは小山でも江夏でもなく、2003年の沢村賞投手・井川慶である。井川は2002年から2006年まで5年連続で開幕投手を務め、翌年から海を渡りヤンキースへ移籍した。
開幕投手においての最多勝は小山、江夏、村山実が記録した4勝で、メッセンジャーは3勝と1勝及ばなかった。メッセンジャーに勝ちはついていないものの、チームの勝敗でみると5勝1敗。大役をみごとに果たしたといっていいだろう。
今季の開幕を託された西にとっては開幕日が決まらず、逆算できない苦労はあるだろう。それでもチームのエースとして送り出される以上、言い訳は許されない。自身初となる開幕勝利からチームを優勝に導く投球に期待したい。
【開幕投手に関する球団記録】
登板数: 江夏豊、小山正明、メッセンジャー(6)
勝利数:小山正明、江夏豊、村山実(4)※セ・リーグ3位タイ
連続先発:井川慶、メッセンジャー(5)※セ・リーグ3位タイ
2020年プロ野球・阪神タイガース記事まとめ