大瀬良大地はオープン戦3試合でわずか2失点
新型コロナウイルスの影響で、3月20日に予定されていたプロ野球の開幕が延期になった。それでも各選手たちは、開幕がいつになるかわからない中、調整を行なっていかねばならない。すでに開幕投手が内定していた投手にも影響は少なからずあるだろう。
佐々岡真司新監督となった広島は、大瀬良大地が2年連続で開幕投手を務める。大瀬良は2017年から3年連続で2桁勝利をマークしており、実績は十分だ。
ここまでの調整は順調そのもの。オープン戦には3月6日の西武戦まで3試合に登板し、12回を投げ2失点と好投を続けている。本人も順調さに対し「逆に不安になりますね」と冗談を言えるほど状態はいい。開幕延期が決まっても気落ちすることはなく、ファンの気持ちを汲んだコメントを残し来たるべき日に備えている。
北別府学がセ・リーグ最多の6勝
ここで広島の過去の開幕投手記録を振り返ってみると、歴代のエースたちが複数のランキングに名を連ねている。
開幕戦における球団最多勝を誇るのは、現在白血病で闘病中である北別府学の6勝だ。1982年から1984年までは3年連続で白星を挙げ、すべて完投勝利。1994年から1996年の斎藤雅樹(巨人)とならんで開幕戦における連続完投勝利のセ・リーグ記録でもある。
NPB記録は1975年から1979年に山田久志(阪急)が記録した5年連続完投勝利。エース級の投手といえど、分業制があたりまえとなった現在では更新は難しそうだ。
その北別府は9度の開幕投手を務めており、これは球団史上最多となっている。また、金田正一(国鉄10、巨人4)の14度についでセ・リーグ2位タイの記録でもある。これだけの先発数を誇る北別府だが、連続年数に関しては1986年から1989年までの4年連続が最長で、球団記録となっていない。
広島における開幕投手の連続記録は「小さな大投手」こと長谷川良平の6年連続である。長谷川は球団創設初期のエースであり、1955年には30勝を挙げ、通算197勝をマークした。現時点で200勝に届かず、最も近い勝ち星で引退した投手となっている。長谷川が引退したのは1963年だが、この当時まだ名球会が発足していなかったことも大きな要因だろう。
平成に入ってからは、黒田博樹が2003年から2007年まで5年連続で開幕投手を務めているのが最長である。
このように広島の歴史を振り返ると、長谷川良平、北別府学、黒田博樹と各時代を象徴する投手が開幕投手としての各種ランキングに名を連ねている。
2年連続の大役となる予定の大瀬良大地や今後の広島を担うであろう森下暢仁らは、大先輩たちに肩を並べることができるだろうか。
【開幕投手に関する球団記録】
先発数:北別府学(9)※セ・リーグ2位タイ
勝利数(先発):北別府学(6)※セ・リーグトップ、NPB3位タイ
連続完投勝利:北別府学(3)※セ・リーグトップ、NPB3位タイ
連続先発:長谷川良平(6)※セ・リーグ3位
2020年プロ野球・広島東洋カープ記事まとめ