新外国人大砲を補強も……課題は1番打者
ここ何年かは貧打に悩むシーズンが続いている阪神。リーグ屈指の投手陣を抱えるだけに、野手陣の働き次第では、一気に優勝候補に躍り出る可能性もあるだろう。打力向上のためにはどのような部分がポイントとなるのか、2019年シーズンの打順別データから探っていきたい。
昨季のチーム得点538点はリーグワースト。打順別のOPSは1番から7番までがリーグ5位以下と全体的に低調に終わった。打線の中心である4番打者もOPSは両リーグワーストの.741。糸井嘉男、福留孝介と主軸の高齢化も課題になってくる。
その中で球団は、大リーグ通算92本塁打の左打者ジャスティン・ボーアと、昨季韓国プロ野球で打点王に輝いた右打者ジェリー・サンズの左右の主砲候補を獲得。今季にかける本気度が伺える積極的な補強で中軸候補は充実した。彼らの活躍によっては昨季4番打者として470打席に立った大山悠輔も、もう少し楽な打順で力を発揮しやすくなるのではないだろうか。
中軸は新外国人に期待となるが、昨季の戦いでもうひとつ課題が見えたのが1番打者だ。
阪神のトップバッターといえば、昨季はルーキーの近本光司が盗塁王に加えセ・リーグの新人最多安打記録を更新する活躍を見せた。しかし、出塁率で見ると近本のシーズン成績は.313、阪神の1番打者成績はリーグワーストの.290。チャンスメーカーという1番に求められる役割を考えれば満足のいく数字ではなかった。