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阪神はガンケルが先発ローテ入りへ前進、ボーアとサンズ不発でどうなる外国人枠争い

2020 2/27 06:00勝田聡
阪神タイガース・ガンケルⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

ガンケルが先発ローテーション入りへ大きく前進

昨シーズンは終盤に怒涛の追い込みを見せ、3位に滑り込んだ阪神。このオフシーズンは外国人選手を中心に補強を行った。野手ではMLB通算92本塁打のジャスティン・ボーアと韓国プロ野球(KBO)で打点王を獲得したジェリー・サンズのふたり。ともに長打力を期待されたパワーヒッタータイプの選手である。

投手は、先発タイプのジョー・ガンケル、セットアッパー候補のジョン・エドワーズ、前ソフトバンクのロベルト・スアレスの3人。野手と合わせ合計5人が新たに加わった。すでにその5人全員がオープン戦に出場し、そのベールを脱ぎつつある。

投手ではガンケルが2月23日の広島戦に先発した。この試合でガンケルは、3回無安打無失点の好投を見せた。1つ四球を与えたものの、3回で35球、3ボールとなったのは、四球を与えたひとりだけ。マイナーリーグ通算でBB/9(1試合あたりにいくつ四球を出すかを表す指標)が1.5の制球面に偽りはなかった。矢野燿大監督も「申し分ない。今の力なら十分に入ってくるでしょう」と高評価。開幕ローテーション入りは間違いなさそうだ。

ソフトバンクから加入したロベルト・スアレスとセットアッパー候補のジョン・エドワーズは、2月24日のヤクルト戦に登板している。スアレスは中継ぎ起用が濃厚だがこの日は2回を投げ被安打1の無失点。エドワーズは1回を2奪三振とこちらも上々のデビュー。ストレートは140キロ代後半を記録し、カーブ、スライダーでもストライクを奪っていた。もちろん1試合だけで判断はできないが、昨年結果を残したピアース・ジョンソンのような起用法になりそうだ。

ここまでのオープン戦を見る限り、3人の新外国人投手は結果を残している。矢野監督は外国人枠の起用法で悩むことになるかもしれない。

ボーアとサンズはともに無安打もマルテに一発

野手のふたりからはオープン戦で快音が響いていない。ボーア、サンズの両選手とも2月24日のヤクルト戦でオープン戦デビューを果たしたがともに無安打。ボーアは2打席連続三振、サンズも2打席で三振と内野ゴロに倒れている。また、練習試合と紅白戦を含めても本塁打は生まれていない。オープン戦の成績が全てではないが、当たりが出てこないのは少し心配でもある。

一方で残留したジェフリー・マルテは、ボーアの加入によって一塁から三塁へ守備位置を変えた。昨シーズンの開幕4番でもある大山悠輔との争いとなっている。外国人枠争い、ポジション争いの渦中にいるが、オープン戦の初打席で初本塁打を記録。2試合で打率.500(4打数2安打)、1本塁打と絶好のスタートを切った。ライバルである大山は3試合で打率.167(12打数2安打)と苦しんでおり、三塁争いでは一歩リードしていると見ていい。あとは外国人枠との兼ね合いになりそうだ。

二軍では井上広大が快音を連発

今年すぐの一軍戦力となるわけではないが、ドラフト2位で加入した井上広大が二軍で快音を連発している。井上は昨夏の甲子園決勝で奥川恭伸(星稜→ヤクルト)から本塁打を放ったスラッガー候補。2月24日までの練習試合ですでに2本塁打を放った。

矢野監督は間近で見たわけではないが、一軍に呼んでみることも視野に入れているという。将来の大砲候補が、早い段階で一軍を経験することになるかもしれない。

直近のチームを支えることになる外国人選手だけでなく、将来のチームに必要なドラフトで加入した高卒選手が結果を残しているのは明るい材料だ。高校時代に甲子園を沸かせたスラッガーが、プロの舞台でも同様の活躍を見せてくれる日を待ちたい。

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