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【プロ野球雑学】年齢別成績で見る「投手」ピークは野手より早い?

2020 2/5 17:00青木スラッガー
2019年プロ野球年齢別成績インフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

投手の全盛期はいつ?

若手が台頭してくれば、その分追いやられるベテランがいる。新陳代謝が激しいプロ野球界。次々と選手は入れ替わっていくが、年齢分布はどのようになっており、主力クラスはどの年齢層に多いのだろうか。

年齢と成績の関係をわかりやすく見るために、選手を「23歳以下」「24歳~28歳」「29歳~33歳」「34歳以上」と4つの年齢層に区分してデータをまとめた(2019年シーズンより)。前回の打者編に引き続き、今回は投手編だ。

2019年プロ野球年齢別成績インフォグラフィックⒸSPAIA

※数字は独自集計。小数点第2位で四捨五入

【投手人数】
23歳以下:140人 28.9%
24歳~28歳:199人 41.0%
29歳~33歳:97人 20.0%
34歳以上:49人 10.1%

まずは投手人数の年齢分布を見ると、ボリュームゾーンは「24歳~28歳」で、ここが4割強を占める。ベテランと呼ばれはじめる「29歳~33歳」となると2割まで減り、大ベテランにあたる「34歳以上」で球界に残っている投手はほんの一握りだ。

続いて投手記録がどの年齢層に記録されたかの割合を見ていきたいが、その前に前回の記事から打者成績のデータも確認しておきたい。
『【プロ野球雑学】2019年の年齢別選手割合と打者成績は』より

【安打】
23歳以下:8.6%
24~28歳:40.9%
29~33歳:34.4%
34歳以上:16.1%

【本塁打】
23歳以下:8.3%
24~28歳:34.7%
29~33歳:40.2%
34歳以上:16.8%

安打・本塁打ともに、「23歳以下」の選手が打ったのは1割に満たない本数だった。安打は「24~28歳」から最も多く生まれているが、「29~33歳」のベテラン勢と本数にあまり差はない。本塁打は「29~33歳」が最も多かった。

【勝利数】
23歳以下:14.4%
24歳~28歳:46.8%
29歳~33歳:27.9%
34歳以上:10.9%

【奪三振】
23歳以下:16.8%
24歳~28歳:47.3%
29歳~33歳:25.0%
34歳以上:10.9%

投手は「23歳以下」の勝利数が14.4%、奪三振も16.8%と、打者よりも早い段階から一軍で活躍していることがわかる。「24歳~28歳」の勝利数・奪三振は全体の半分近くに迫り、この年齢にあたる投手たちに主力クラスが集中しているようだ。

「29歳~33歳」になると勝利数27.9%、奪三振25.0%と一気に割合は下がる。「34歳以上」の割合も打者に比べて低く、結果を残しているベテランが打者より少ないことがうかがえる。投手の方が戦力になるのは早いが、30歳あたりからの成績の落差は大きく、寿命は短いということが言えそうだ。