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阪神・大山悠輔は三塁のポジションを勝ち取ることができるか【12球団キャンプ注目ポイント】

2020 1/27 06:00勝田聡
阪神の大山悠輔選手ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

中継ぎの外国人選手が入れ替えに

昨シーズンの阪神は終盤に怒涛の追い込みを見せ、3位でクライマックスシリーズへと進出した。しかし、その原動力となった鉄壁のリリーフ陣が今季、大きく変わる。藤川球児岩崎優は健在だが、ピアース・ジョンソンとラファエル・ドリスの外国人投手ふたりが退団となったのだ。

その穴を埋めるべく、ジョー・ガンケル、ジョン・エドワーズ、ロベルト・スアレスの新外国人投手3人を補強した。このなかで、ソフトバンクで実績のあるスアレスと、エドワーズは中継ぎでの起用が濃厚となっている。ジョンソンとドリスの穴を埋めることが期待されるが、キャンプ、オープン戦を見なければ戦力として機能するかは判断できないだろう。強みであった中継ぎ陣の入れ替えが、チームの順位に大きく影響を及ぼすことになるかもしれない。

一方の野手ではMLB通算92発の大砲ジャスティン・ボーア、韓国で打点王に輝いたジェリー・サンズのふたりを獲得した。これは長打力不足解消が大きな目的だ。

その他にはソフトバンクから無償トレードで中田賢一を獲得。先発の一角を期待されている。

大山悠輔は三塁での競争を勝ち抜けるか

そんな阪神で気になるのは大山悠輔のポジションだろう。昨シーズンは「4番・三塁」として開幕スタメンを勝ち取るも、終盤戦では4番から外されていた。今シーズンは再び定位置に戻りたいところだが、一筋縄ではいかない。

チームはこのオフシーズンに新外国人選手としてボーアを獲得した。ボーアは左の大砲候補であり、守備は一塁がメインとなる。そうなると昨シーズンは一塁を守っていたジェフリー・マルテがはじき出されてしまう。

矢野燿大監督はボーアを一塁で起用、三塁でマルテと大山を競わせる方針だ。大山の打力を生かすために二塁へのコンバートも手段としては考えられるが、現時点でその構想はない。久慈照嘉コーチがはっきりと否定している。大山が出番を勝ち取るためには、三塁での競争を勝ち抜かねばならないわけだ。

その競争相手はマルテだけではない。遊撃のポジションでは同じように北條史也木浪聖也植田海らが争いを繰り広げており、その競争に敗れた選手は、三塁での起用も考えられるからである。とくに北條は昨シーズン10試合で三塁のスタメンに起用された。状況によっては、三塁で定位置を奪ってもおかしくはない。

虎の大砲候補・大山は多くのライバルたちに競り勝ち、三塁のポジションを勝ち取ることができるだろうか。

若手と外国人で争われる「第4の外野手」

内野だけでなく、外野にも争いがある。左翼・福留孝介、中堅・近本光司、右翼・糸井嘉男がレギュラー格ではあるが、福留と糸井はすでにベテランだ。全143試合をフルで出場することを望むのは酷である。適度に休養日を設けコンディションを維持しながら、1年間を戦っていくことになるはずだ。

そんなベテランふたりの休養日にスタメンで出場する「第4の外野手」争いが激しいのである。2016年の新人王である髙山俊、2017年に20本塁打を記録した中谷将大、その他にも江越大賀、外国人枠との兼ね合いだがサンズも控えている。

球団としては若い選手たちが、第4の外野手として結果を残しつつ、レギュラーを奪取し世代交代を図ることが一番の理想形である。その第一段階の競争が春季キャンプで行われるわけだ。

このように阪神は内野、外野ともに競争が激しい。若虎たちが、ベテランや外国人選手を押しのけレギュラーを獲得することができれば、一段と選手層も厚くなり、優勝がぐっと近づくはずだ。

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