「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

ジェフ&シーツが宜野座キャンプに来日、助っ人8人の矢野阪神に援軍

2020 1/12 06:00楊枝秀基
阪神タイガースの矢野燿大監督ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

現在は阪神の駐米スカウト

虎党にとっては新助っ人の加入よりも、元優良助っ人の再来日が気になるのではないだろうか。2020年2月の阪神、宜野座春季キャンプにジェフ・ウィリアムス(47)、アンディ・シーツ(48)の両駐米スカウトが参戦する事が決定。球団史上最多の外国人8人体制で2年目を迎える矢野阪神に“心強い臨時コーチ”が加わることになった。

マルテ、ガルシア、呂彦青は2019年からの残留組。スアレスはソフトバンクから阪神へ移籍する形となった。その4人を除くボーア、サンズ、エドワーズ、ガンケルの4選手にとっては特にウイリアムス、シーツ両スカウトの存在が頼もしいに違いない。

ウイリアムスは2003年、2005年の両方のリーグ優勝に貢献しており、当時でいえば外国人である事実を超えて投手陣の兄貴的素材だった。2005年に鉄壁の勝利の方程式となった「JFK」を形成した藤川球児、久保田智之から見れば8歳年上で、ジェフの助言から様々なシナジー効果を生み出した。

豪州出身で大学から米国に野球留学。外国人として環境に順応する能力が高いばかりではなく、組織に馴染めばリーダーシップも発揮した。積極的に日本語も覚える姿勢でコミュニケーションを取り「オレはセンパイだからナンデモキキナサイ」と技術も惜しみなく後輩に伝えた。若かりし日の能見もジェフからアドバイスを受けて覚醒したうちの一人だ。

英語でコミュニケーションを取る新助っ人陣からすれば、頼もしさはさらに増す。日本語の習慣や文化、日本野球の特徴やクセ、ストライクゾーンなど全てのエッセンスを新助っ投に伝授してくれるはずだ。新加入でメジャー通算49登板のエドワーズ、メジャー未経験のガンケル共に、ウイリアムスの助言を得てジョンソン、ドリスの穴を埋める可能性もある。それに加え、投手目線からのアドバイスを新助っ人野手陣に送ることも、有益な情報となるだろう。

矢野監督と優勝時のチームメート

一方のシーツはMLBで実働7年、主に遊撃手として1000打席以上の経験を誇る頼もしい存在。阪神の駐米スカウトとして初めて獲得した選手が、1年目から214安打でブレークしたマートンであることはあまりにも有名だ。クールでもの静かな印象はあるが、その野球眼は確か。大リーグ通算92本塁打のボーアや韓国で打点王の実績のあるサンズであっても、一目置いてアドバイスに耳を傾けるに違いない。

ボーア、サンズという実績組と、大リーグ登板49試合のエドワーズ、メジャー未経験のガンケル。多彩な人材をそろえ、ジョンソン&ドリスの穴を埋めていく算段だが、計画通りにいかないというのも外国人戦略の常。日本で成功するためには日本に1日でも早くなじむこと。だからこそ、優良助っ人たちにお願いした。

ウィリアムススカウトは2月上旬から、シーツスカウトは同中旬から、それぞれ2週間ほど沖縄に滞在する予定。1週間ほどは2人がコラボする。2003年、2005年の優勝時にチームメートだった矢野監督が率いる2年目のチーム。遠のいているV奪回へ向け両氏の存在は最高のスパイスとなるはずだ。

2020年プロ野球・阪神タイガース記事まとめ