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オリックス・中川圭太が交流戦首位打者に 過去の首位打者から活躍は確定?

2019 6/27 07:00勝田聡
交流戦首位打者のシーズン成績
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ⒸSPAIA

交流戦中盤から「5番・一塁」に定着

セ・パ交流戦の全日程が25日に終了した。ソフトバンクが通算8度目の優勝(最高勝率含む)を飾り、パ・リーグが58勝46敗4分で10年連続14度目の勝ち越しとなった。個人成績では、オリックスの中川圭太が打率.386を記録し、プロ野球史上初めて新人での交流戦首位打者に輝いた。

中川は2018年のドラフト7位で東洋大からオリックスへと入団。PL学園高校出身でもあり「最後のPL戦士」と呼ばれ、メディアでも取り上げられていた。しかし、ドラフト時の注目度では大学同期の上茶谷大河(DeNA1位)、甲斐野央(ソフトバンク1位)、梅津晃大(中日2位)と比べ評価は低かった。それはドラフト7位という指名順位からもよくわかる。

だが、中川は入団前の評価以上の活躍をここまでは見せている。開幕一軍こそ逃したものの、シーズン序盤の4月20日に一軍へ初昇格。途中出場2試合を経て、4月24日には「7番・三塁」で初めてスタメンで起用されると、さっそく2安打を放った。

その後も結果を残し続け、6月15日からは「5番・一塁」として固定されている。現在9試合連続安打を継続中で、6月20日からは5試合連続でマルチ安打以上を記録し、シーズン打率も.321となっている。現在177打席と規定打席(220打席)には未到達ながら、1年目としては十分な成績と言っていいだろう。

打率3割の壁に挑む

過去、交流戦の首位打者はシーズンを通じてはどのような成績を残してきたのだろうか。2011年以降の首位打者をまとめてみた。

交流戦首位打者のシーズン成績

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当然ではあるが、交流戦は短期間で行われるため首位打者の打率は軒並み高く、2011年以降の9シーズンで6度、打率4割超の首位打者が誕生している。今シーズンの中川は打率.386だったが、4割を切ったのは2014年以来5年ぶりのことでもあった。

首位打者の顔ぶれを見ると、2016年の城所龍磨(ソフトバンク)を除き、なんらかのタイトルホルダーである。短期間で開催される交流戦と言えども、首位打者となるためにはそれなりの実力が必要だといえる。

また、交流戦首位打者がシーズンを通して打率3割に到達しなかったのは、2011年の坂口智隆(オリックス)、2016年の城所龍磨(ソフトバンク)、2018年の角中勝也(ロッテ)の3人のみ。多くの場合、打率3割というハードルはクリアしているのである。

今後どう推移するかはわからないが、中川にも打率3割への期待がかけられるだろう。ネックとなるのは規定打席だろうか。前述しているが、中川は4月20日に一軍登録されたこともあり、現時点では規定打席に到達していない。

今シーズンの規定打席である443打席まで残り266打席となっており、オリックスの残り試合数は72試合。1試合平均に換算すると3.7打席。このままスタメンに定着できれば、到達できる数字ではある。このまま1年間故障なく戦うことができるかがポイントとなりそうだ。

交流戦でブレイクを果たした中川は、このまま調子を維持しスタメンに定着できるだろうか。ドラフト7位のルーキーが1年目から結果を残すことは、他の下位指名でプロ入りした選手たちの希望にもなる。ここから先も中川のバットから目が離せない。

※数字は2019年6月25日終了時点


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