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【マーメイドS】データから導き出された今年のミス・マーメイドはサンティール

2019 6/6 11:00門田光生
マーメイドSで本命に推されたサンティールⒸ三木俊幸
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Ⓒ三木俊幸

安田記念は「同厩舎の人気薄」でなく、「同馬主の人気薄」の結末

安田記念はスタート後にアクシデントが発生。大外枠のロジクライが内に切れ込むように進路を取り、12番~15番までの馬の進路を妨害(騎手は騎乗停止の制裁)。その番号の中に、二強といわれたアーモンドアイとダノンプレミアムが含まれていたから、場内が騒然とするのも無理はない。結局、逃げたアエロリットと2番手のグアンチャーレが粘り込もうとするところに、インディチャンプが鋭く伸びて差し切り勝ち。

インディチャンプは最初3番手にいたと記憶していたので、直線の位置取りを見て「あれ?」と思ったが、直線に入るまで我慢に我慢を重ねた鞍上の好騎乗。結果的に前半でいい位置を取れた馬が上位を占めていたので、後方から唯一追い込んだアーモンドアイはまさに「負けて強し」。

個人的には本命のアエロリットが頑張って2着に粘ってくれたものの、高配に目がくらんで指名したエントシャイデンはいいところなく敗退。今回は「同厩舎の人気薄」ではなく、「同馬主の人気薄」だった。なかなかうまくいかないものである。

東京GⅠシリーズもひとまず終わり。これで流れが変わると信じたいが、今週の担当は荒れると定評のマーメイドS。また難解なレースを指定してくれたものだ。


《関連記事》【安田記念】今年もアエロリットが来る?きっと来る 高配狙いの相棒は「同厩舎の人気薄」

前走GⅠ組が意外と苦戦?

マーメイドSは牝馬限定戦。レディに聞くのは失礼な気もするが、まずは年齢から。

マーメイドSの年齢別成績ⒸSPAIA

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3歳は出走馬が少ないので除外するとして、勝率でみれば4~6歳馬だが、連対率では5、6歳馬が抜けていい。年齢別観点からは、5、6歳を狙い目とする。なお、今回はハンデ戦となった2006年から14年分を対象とした。

マーメイドSの前走クラス別成績ⒸSPAIA

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次は前走でどのクラスを走っていたか。順当にヴィクトリアマイルを含むGⅠ組が力を見せているのかと思っていたが、逆に散々な成績となっている。

恐らく、GⅠを目標に仕上げていて、この時点で余力が残っていなかった可能性が高い。連対率、勝率トップはオープン特別からの転戦組。このあたりはハンデが手ごろになるのだろうか。

最軽量馬が波乱を呼ぶ

その斤量を見ると、51.5~53キロのハンデ組が優勢。49キロ以下は2006年のソリッドプラチナム(49キロ)と、2008年のトーホウシャイン(48キロ)。この2頭の、特に最低人気で勝ったトーホウシャインの印象が強すぎて荒れるイメージが頭に残っていると思うが、両馬とも10年以上も前の話。そりゃ年も取るはず。

マーメイドSの斤量別成績ⒸSPAIA

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それはともかく、49キロ以下の連対データはちょっと古いので、どう扱うか悩むところ。ちなみに、前走から2キロ以上斤量が増えていると連対はなし。

続いて、前走距離を調べてみた。一番成績がいいのは、今回と同じ2000mを走った馬。逆に前走からの距離短縮組は勝率0%。今回、該当する馬がいれば割引が必要だ。

マーメイドSの距離増減・前走着順別成績ⒸSPAIA

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最後に前走着順。どのクラスであれ、前走着順がいい馬が好成績を挙げている。高配が出るレースを思えば意外な結果。

今回の狙いはサンティール

データが出そろったところで絞り込みに入りたい。

①まず年齢。5、6歳馬が優勢。4歳馬も悪くないが、7歳以上は割引。今回は4~6歳馬しか出走していないので、5、6歳馬が加点対象。

②前走、オープンの成績が一番いいのだが、今回は出走なし。今回該当するクラスに順位をつけると、1000万、1600万、そしてGⅢの順。

③ハンデ。ここでは最も連対率がいい51.5キロ~53キロの馬に加点。今回は3頭該当。49キロ以下はデータが古いので微妙だが、軽ハンデ馬は高配に絡むので加点対象にする。今回はウスベニノキミが該当。なお、前走からプラス2キロ以上は該当なし。

④前走と同距離の馬は9頭と意外といる。

最後は⑤前走着順。3着以上の馬は11頭とこれまた多い。本当に絞れるのか不安になってきた。

結論だが、5つ全てを満たしている馬は残念ながらゼロ。しかし、4つ満たしている馬は1頭いた。それはサンティールだ。前走が1000万ではないが、1600万から参戦の数字も悪くない。文句なしの軸といえる。

相手だが、3つ満たしているのはアドラータ、ウスベニノキミ、クィーンズベスト、ダンサール、モーヴサファイア、レッドランディーニの6頭。荒れるレースだから相手は6点と手広く押さえる。

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想や「最終逆転」コーナーを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬などの予想・記事も執筆中。