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阪神は西、ガルシアを補強し上位浮上を目指す

2019 1/7 07:00勝田聡
ロサリオⒸゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

ロサリオが不発も投手陣は踏ん張る

阪神は金本知憲監督3年目となった昨シーズン、17年ぶりに単独最下位となってしまった。開幕戦で巨人のエース・菅野智之をKOし勢いにのるかと思われたが、残り2戦に連敗。その後は一進一退を繰り返しながら、6月末の時点で33勝36敗1分の借金「3」で3位となんとか、クライマックスシリーズ争いに踏みとどまっていた。

しかし、7月以降は借金を返済するどころか、逆に大きく増やしてしまった。最終的に62勝79敗2分で借金は「17」まで膨らんでいる。特に本拠地である甲子園球場では21勝39敗2分と借金は「18」もあった。その他の球場では貯金を作ったにもかかわらず、甲子園球場で勝つことができなかったのが低迷の一因だ。

阪神成績表


ⒸSPAIA

チーム数字を見ると投手陣は防御率4.03(2位)と頑張った。規定投球回に達したのはランディ・メッセンジャーひとりだったが、ラファエル・ドリス、桑原謙太朗、能見篤史、藤川球児といった中継ぎ陣の奮闘が目立っている。また若手を見ても高卒2年目の才木浩人が中継ぎ、先発両役割をこなしながら6勝をマークと飛躍のきっかけを掴んでいる。

誤算だったのは野手陣だろう。大型契約で獲得したウィリン・ロサリオが不発に終わったのがやはり痛かった。チーム本塁打数85本はセ・リーグ最下位。福留孝介、糸井嘉男とふたりのベテラン選手は踏ん張ったが、ロサリオの穴を埋めることはできなかった。

一方で明るい話題もある。2年目の糸原健斗がひとり立ちしたのだ。唯一の全試合出場を果たし、二塁の定位置を掴んだのだ。故障で離脱した上本博紀と今シーズンはポジションを争うこととなりそうだ。主砲候補の大山悠輔が9月16日のDeNA戦では6打数6安打と大暴れするなど、後半戦で実力を発揮。シーズンを通してチーム3位の11本塁打を放っている。また、梅野隆太郎は正捕手に君臨し、初の規定打席にも到達しゴールデングラブ賞を獲得した。

西勇輝、ガルシアと先発投手陣を補強

このオフ、阪神は首脳陣が大きく入れ替わった。金本監督の後任に矢野燿大二軍監督が内部昇格。その他には福原忍、藤井彰人、濱中治、藤本敦士、筒井壮も二軍のコーチから一軍へと配置転換となった。矢野監督は昨シーズン、ファーム日本一を成し遂げており、その中心メンバーで一軍も戦うこととなった。

戦力面では投手陣の大補強を行っている。FAで西勇輝をオリックスから獲得すると、中日の保留者名簿を外れたオネルキ・ガルシアも入団にこぎつけた。その他にも新外国人投手として中継ぎのピアース・ジョンソンを補強。先発、中継ぎともに層が厚くなった。元来、投手力はあっただけに、より強固なものとなったと言えるだろう。

あわせてランディ・メッセンジャー、ラファエル・ドリスも残留が決まった。さらに、メッセンジャーは今シーズンから日本人選手扱いとなることも大きい。エース級の働きを見せてきた助っ人外国人選手が外国人枠を外れたことで、外国人枠の使い方も変わってくるはずだ。

野手ではロサリオが退団しエフレン・ナバーロが残留となった。その他にも外国人選手を調査しており、大砲候補の獲得があるかもしれない。

ドラフトでは藤原恭大(大阪桐蔭高→ロッテ)、辰巳涼介(立命館大→楽天)と2度のハズレから近本光司(大阪ガス)を獲得した。糸井、福留もベテランとなっており、これからの阪神を担う選手が必須ということで、一貫して外野手にこだわった。

2位、3位では小幡竜平(延岡学園高)、木浪聖也(ホンダ)と遊撃手を獲得。鳥谷敬の後継者として北條史也や糸原といったメンバーと争うことになる。4位以下は斎藤友貴哉(ホンダ/4位)、川原陸(創成館高/5位)、湯浅京己(BC富山/6位)とすべて投手の指名となった。このなかではドラフト1位の噂もあった斎藤に即戦力としての期待がかかっている。

投手陣は現状で安定しており、次世代も小野泰己、馬場皐輔、才木浩人、濱地真澄と有望株が揃っている。そのため上位ではなく中位以下での指名となった。

西、ガルシアが加わり先発ローテーションが強固となった阪神。今シーズンは矢野新監督のもとで最下位脱出を目指す。