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「2年目のジンクス」はあったのか?源田、京田らの今シーズンを振り返る

2018 12/2 15:00勝田聡
野球ボールⒸShutterstock.com
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野手陣は大山悠輔が大きな飛躍!

昨シーズンの新人王は源田壮亮(西武)、京田陽太(中日)とセ・パ両リーグで野手が獲得した。また大山悠輔(阪神)もセ・リーグ2位の票を得た。この3人の2年目、すなわち今シーズンの成績を比較してみたい。

主な2年目野手の年度別成績

ⒸSPAIA

源田は山賊打線の一員として全試合にフル出場。今シーズンは主に2番を務め、各項目において1年目と遜色ない数値、もしくは上回る成績を残している。なかでも34盗塁はチームトップ、そしてリーグ3位の数字であった。また、長距離砲ではないが、リーグ4位タイとなる6個の犠飛を放った。状況に応じた打撃ができていることがよくわかる。

一方で、項目によっては数値を落としてしまっている京田。打率、出塁率、長打率、OPSが下がってしまった。上位打線を担うことが多いだけに、出塁率は最低でも3割は超えたいところ。そのうえで長打を増やしたい。

そして大山は大きく数字を伸ばした。とくにOPS.773は京田、源田を大きく上回っており、近年の大卒2年目の打者と比べても遜色ない。
《参考記事》http://npb.jp/award/2017/voting_rok.html

出場試合数が少なかったこともあり規定打席には届いていないが、来シーズンは矢野燿大新監督のもとで主砲として結果を残すことができるのかに期待がかかる。

山岡泰輔が2年連続で規定投球回到達

投手陣はどうだろう。昨シーズンの新人王投票で票が入った濵口遥大(DeNA)、山岡泰輔(オリックス)、高梨雄平(楽天)の成績を比較してみたい。

主な2年目野手の年度別成績

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昨シーズン、新人で唯一の2ケタ勝利を達成した濱口は大きく成績を落としてしまった。故障離脱があり、19試合の登板で4勝5敗、投球回数は94.2回と規定投球回に今シーズンも届かなかった。3年目となる来シーズンは初の規定投球回到達はもちろん、2ケタ勝利を達成したいところ。

昨シーズンは、開幕からローテーションに入り規定投球回に到達した山岡だが、今シーズンは苦しんだ。7月末の時点で2勝10敗と大きく負け越し、8月からは中継ぎへと配置転換となった。すると6試合の中継ぎ登板で自責点は「0」、わずか2週間で先発へと舞い戻る。その後、立ち直り復帰後に3連勝。シーズントータルでは7勝12敗と巻き返している。2年連続で規定投球回にも到達しており、来シーズンは自身初の2ケタ勝利を目指す。

左の中継ぎとして起用されている高梨雄平(楽天)は防御率こそ下がったものの、登板数は46試合から70試合へと大きく増えた。一方、投球回数の増加は4.1回となっており、より左のワンポイントとしての起用が増えたということになる。貴重な左腕として来シーズンも中継ぎでフル回転したい。

このように1年目に実績を残した選手の2年目を見ると、大きく成績を下げたのは濵口ただひとり。その他の選手は横ばい、もしくは上昇している。「2年目のジンクス」という言葉はあまり当てはまらなかった、と言っていいだろう。

もちろん、プロ野球人生は2年で終わりではない。来シーズン以降もこの調子で好成績を残してくれることに期待したい。

※数字は2018年シーズン終了時点