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根尾昂、村上宗隆、安田尚憲はレギュラーの「壁」を突破できるか?

2018 11/12 11:06勝田聡
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根尾昂は京田陽太との遊撃手争い

今年のドラフト会議でもっとも注目を浴びた根尾昂(大阪桐蔭高→中日1位)が、12球団の同期のなかで最速となる仮契約を結んだ。また、二刀流ではなく遊撃手一本で勝負することも明言した。

今シーズン、中日のレギュラー遊撃手は2017年の新人王でもある京田陽太だった。与田剛新監督は京田に対し、二塁へのコンバートを打診したが「譲れない」と固辞された。今後は、このふたりによる競争が行われることになりそうだ。

高卒新人野手のレギュラー獲得へのハードルは高い。2017年ドラフトで7球団による競合となった清宮幸太郎(日本ハム)も、53試合の出場で規定打席には遠く及ばない180打席だった。

山田哲人(ヤクルト)、丸佳浩(広島)といった球界を代表する選手でも、高卒1年目は一軍公式戦での出場機会は与えられなかったほどだ。

高卒野手で1年目に新人王を受賞したのは、チームの大先輩にあたる立浪和義(1988年)以来誕生していない。このことからも高卒1年目からレギュラー級の活躍がむずかしいことはよくわかる。

はたして根尾は京田という壁を乗り越えレギュラー獲得、そして新人王を受賞できるのだろうか。

中日・遊撃手候補となる選手の今シーズン成績

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左の大砲候補・村上宗隆が元首位打者・川端慎吾に挑戦!

高卒1年目から一軍デビューを果たし、初打席初本塁打を放った村上宗隆(ヤクルト)の勢いは留まることを知らない。ファームではタイトルこそ獲得できなかったものの、優秀選手賞、新人賞、努力賞と3つの部門で表彰された。また、フェニックスリーグでは10本塁打を記録し、その存在感を発揮している。来シーズンは一軍でのレギュラー争いに参戦しそうな雰囲気もある。

現時点で来シーズンにおける村上の起用方針は明らかになっていないため、一軍で少しずつ出番を増やしていくのか、それともファームで実戦の経験を積んでいくのかはわからない。

どちらにもメリットとデメリットがあるが、仮に一軍で起用する方針となれば2015年の首位打者である川端慎吾と争うこととなる。今シーズンの川端はシーズン序盤に頭部死球を受けた影響もあり、97試合の出場で打率.259と不本意な成績に終わっている。

しかし、川端もまだ1987年生まれの31歳と老け込む年齢ではなく、簡単にレギュラーを渡すわけにはいかない。若手の突き上げに負けず、意地を見せたいところだ。またその他にも、大引啓次や藤井亮太といった選手も控えている。

来シーズン、村上は先輩たちを押しのけ三塁のレギュラーを奪えるのだろうか。今から楽しみだ。

ヤクルト・三塁候補となる主な選手の今シーズン成績

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安田尚憲は鈴木大地に挑む!

履正社高時代から清宮と比較され続けてきた安田尚憲(ロッテ)も、来シーズンは三塁でレギュラーを狙う。今シーズンは新人王資格を残すために、60打席で打ち止め。既に「来シーズンは安田を開幕から使いたい」とコメントしている井口監督の「親心」に応えたい。

その安田が試合に出るためには、一塁、三塁、もしくは指名打者のいずれかのポジションを掴む必要がある。なかでも濃厚なのが、高校時代から慣れ親しんだ三塁だろう。だが、そこには昨シーズンまでキャプテンを務めていた鈴木大地という「壁」がある。

2013年にレギュラーを獲得して以来、2015年を除き全試合に出場し続けている鈴木は、故障知らずでもある。大砲候補である安田のためにポジションを明け渡すようなことはせず、攻守とも圧倒しレギュラーを死守したいところだろう。

ところが、鈴木は三塁以外にも二塁、遊撃も守ることができるため、安田を起用するためにコンバートの可能性もありそうだ。もちろん、その他のポジションでも争いは発生すると考えられる。今後、井口監督がどのようにタクトを振るうのか注目したい。

ロッテ・三塁候補となる主な選手の今シーズン成績

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