なぜカープは強くなったのか?Bクラス常連から脱却の秘密|【SPAIA】スパイア

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なぜカープは強くなったのか?Bクラス常連から脱却の秘密


Bクラス常連からセリーグを2連覇するまでに強くなったカープ

2016年・2017年と2年連続で、セリーグを制覇した広島東洋カープ。いまや、セリーグでもっとも安定感のあるチームではないだろうか。
充実した戦力は、黄金期の到来を予感させる。しかし、ここまでの道のりは決して順調ではなかった。

チームは2013年にAクラス入りをはたしたものの、これが実に98年以来15シーズンぶりのAクラス(球団創設1年目から18年連続Bクラス入りという記録も持っているが、それはチーム創設期の話であって、やや事情が異なっている)。
それまではずっとBクラスの常連チームであったのだ。それが今や、弱いカープはまったく想像できないほどにまで強くなった。一体なぜ、カープはここまで強くなることができたのだろうか。

ドラフト戦略が大きく変化!即戦力の選手たちが続々入団

1つめの要因としては、ドラフト戦略の成功が挙げられる。現在カープで活躍している選手を見ると、近年のドラフトで獲得した選手が多い。
野手の菊池涼介、田中広輔、鈴木誠也、投手の野村祐輔、大瀬良大地、岡田明丈、薮田和樹などだ。
鈴木は高校からの入団であるが、他の選手たちは大学・社会人からであり、いずれも即戦力と期待されて入団してきた選手たちだ。カープは以前と比べて、ドラフトで即戦力を獲得している。

この方向転換の裏には、ドラフト制度の変更がある。以前のドラフトには、自由獲得枠(希望入団枠)があったが、裏金問題などにより07年を最後に廃止され、08年のドラフトからは高校生・大学社会人に分裂していたドラフトも1つにまとめられた。

これがカープにとって追い風となった。資金力で後れをとるカープだったが、他球団に自由枠で入団していたような選手も、ドラフトで指名できるようになったのだ。
また1位で即戦力選手を獲得できると、2位以下も思い切った指名ができるようになる。こうして新戦力が整っていき、今のカープが形成されていったのだ。

順調に成長した選手たちもレギュラー定着

カープ好調2つめの要因は、ドラフト時に育成入団した選手たちが成長したことだ。丸佳浩や安部友裕、會澤翼など、07年以前に入団してきた高卒選手も、今では立派な主力選手となっている。
もともとカープの育成力は12球団でも随一であり、Bクラスが続いていた時も、良い選手はいた。金本知憲、前田智徳、黒田博樹、新井貴浩など、名球会入りを4人も出している。

相次ぐFAでの流出により、安定して戦力を保つことができないでいた。しかし、それも過去の話だ。
今はドラフトで即戦力として獲得した選手たちと、時間をかけて育成してきた選手たち。加えて、外国人選手たちも上手くかみ合い、層の厚いチームとなった。

野村謙二郎監督が見出した選手たち

3つめの要因は監督やコーチの働きだろう。現在の緒方孝市監督の功績は言うまでもない。
だが、前任の野村謙二郎監の働きも素晴らしかったのだ。野村監督最大の功績は、今の主力選手たちを見いだしたことだ。
2011年ごろから丸がレギュラーに定着すると、2013年には29盗塁で盗塁王を獲得、翌2014年には.310の打率を残すなど、チーム不動の3番打者にまで成長した。2012年には菊池、2013年には田中広輔も入団し、センターラインがさらに強固になった。

野村監督が就任した当時、本拠地が広いMAZDA Zoom-Zoomスタジアムに変わって2年目ということもあり、足を使える選手を中心にチームが構成されていた。天谷宗一郎や赤松真人、梵英心、東出輝裕など、機動力と広い守備範囲を誇る選手の活躍は、ファンの皆さんの脳裏にも焼き付いているだろう。
しかし、野村政権2年目からは、主力選手たちの不調やケガなどにあって、足を使える若手たちがレギュラーをつかんでいく。丸や菊池、田中らは、その最たる例だろう。こうして、うまく世代交代が進んでいく。

また、野村監督は助っ人との関係も良好であった。特にブラッド・エルドレッドとは密にコミュニケーションを取り、結果が出ない時期には簡単な英語とジェスチャーを交えながら、熱心に打撃指導を行った。
2013年オフには、監督自らが球団に残留を要請したという話もある。そして翌2014年、エルドレッドもその期待に大きく応え、37本塁打でホームラン王を獲得するまでとなった。
2018年シーズンでカープ8年目となるが、その長打力はいまだチームにとって欠かせない。機動力に加え、助っ人の長打力も加わり、12球団でも屈指の破壊力を持つ打線が出来上がっていった。

打撃の意識を変えた石井琢朗打撃コーチ

こういった新戦力の台頭などもあって、2013年、チームは久しぶりのAクラス入りを果たす。さらに2014年に3位に入り、2年連続のAクラスを達成した。
しかし優勝争いをするには「あと一歩」というところであった。

「あと一歩」を仕上げてくれたのが、石井琢朗打撃コーチと、河田雄祐守備走塁コーチである。石井コーチは、2012年にカープで現役を引退した後、そのまま守備走塁コーチに就任し、2015年から打撃コーチを務めるようになった。
その指導のポイントは、「7割の凡退をどう攻撃に活かすか」ということだ。野球は3割打てば一流というスポーツ。どれだけ頑張っても7割近くは凡退になる。
しかし、ノーヒットでも得点が入るというのもまた野球の特徴である。7割の凡退でも、打者の意識次第では大きく得点に結びつくということを、選手たちに徹底的に意識づけた。

もちろん最初からそう簡単にはいかなかった。やはりチャンスで打席に立つ以上、打者としてもヒットを打ちたい気持ちが強くなってしまい、なかなか凡打を活かすという意識にはなりにくい。
特にカープには、レギュラーをつかみ始めた若い選手が多かったため、なおさらだった。だが石井コーチは1年かけて「内容のある凡打ならOK」という雰囲気を作り出した。
たとえ選手が凡退したとしても、それでランナーを進めることができたのであれば、大きな声でベンチに迎え入れる。きちんとその姿勢を評価することで、選手たちの意識を変えていったのだ。

攻撃的な走塁をチームに植え付けた河田雄祐コーチ

河田雄祐コーチの存在も忘れてはいけない。シーズン中から相手投手や守備陣の研究を数時間かけて行い、常に前の塁を狙うためのスキを見つけるというのが河田コーチの仕事だった。
河田コーチの懸命な尽力によりチームは、2年連続リーグNo.1盗塁を達成した。積極的に次の塁を狙っていくことで、凡打を活かしやすい状況を作ることもできた。
石井コーチと河田コーチの相乗効果で、チームはどんどん強くなっていったのだ。

ドラフトで即戦力選手の獲得、若手選手の成長、監督たちの采配、名コーチの指導などがうまくはまり、常勝軍団となったカープ。
残念ながら、石井、河田、両コーチともカープを退団してしまったが、その教えは、選手たちにとっての財産となっているはずだ。
黄金時代が到来しようとしているカープ。この流れを大事にして、3連覇を目指す。

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