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2年ぶりとなる日本一に輝いた福岡ソフトバンクホークス

2017 11/17 14:22mono
野球ボール
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2017年の福岡ソフトバンクホークス

【2017年シーズン成績】
順位:1位
勝敗:94勝49敗
勝率:.657
打率:.259(2位)
本塁打数:164本(1位)
得点数:638点(2位)
盗塁数:73盗塁(4位)
防御率:3.22(1位)

劇的なサヨナラ勝ちを収め2年ぶりとなる日本一を勝ち取った福岡ソフトバンクホークス。結果だけ見ると圧勝にも見えるが、その道のりは決して平坦なものではなかった。
開幕カードを3連勝し5月末の時点で貯金13。勝率.628と首位でもおかしくない成績を残していたが、それ以上に東北楽天ゴールデンイーグルスが快進撃を見せており3.5ゲーム差の2位だった。
交流戦が終わっても首位に立てなかったものの、慌てることなく夏場に楽天をかわすと、後は独走。最終的に2位となった埼玉西武ライオンズを13.5ゲーム離しリーグ優勝を果たした。

楽天とのクライマックスシリーズ・ファイナルステージでは2連敗スタート。楽天の勢いに飲まれるかと思われたが、そこから3連勝で勝ち抜け日本シリーズへと駒を進めている。
日本シリーズでも横浜DeNAベイスターズ相手に3連勝したが、2連敗。ヤフオクドームに戻り最終戦となった第6戦も9回表の時点で1点ビハインドと紙一重だった。
レギュラーシーズンのゲーム差や4勝2敗という日本シリーズの勝敗ではわからない苦しさがあったのだ。

柱が故障するも盤石だった投手陣

和田毅選手、武田翔太選手とローテーションの柱となるべき選手が相次いで離脱し、シーズンを通して活躍できなかった。そのなかで奮闘したのが東浜巨選手と千賀滉大選手のふたりだ。
東浜選手は自身初となる規定投球回に到達し、キャリアハイとなる16勝をマーク。初タイトルとなる最多勝を獲得している。
第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表として快投を見せた千賀選手も、自身初のタイトルである最高勝率を獲得。また、2年連続で2ケタ勝利を達成した。

中継ぎ陣では森唯斗選手、嘉弥真新也選手、岩嵜翔選手らが結果を残し終盤の強さを発揮。更に、日本シリーズでMVPに輝いたサファテ選手がクローザーとして君臨していたことも、一番の強みだろう。
サファテ選手はプロ野球記録となる54セーブをマークするなど、絶対的な守護神として相手チームの前に立ちはだかった。シーズン終了時点で日本通算229セーブとなり2018年シーズンは名球会入りの条件となる250セーブを目指すことになる。

【主な投手成績】
東浜巨選手
24試合/16勝5敗/防御率2.64

千賀滉大選手
22試合/13勝4敗/防御率2.64

サファテ選手
66試合/2勝2敗54S3H/防御率1.09

デスパイネ選手の加入により破壊力が増した野手陣

2016年シーズンオフに、千葉ロッテマリーンズから大砲としてデスパイネ選手を獲得。その期待通りにデスパイネ選手は35本塁打、103打点で最多本塁打、最多打点の二冠王に輝いた。
これによりリーグ最多となるチーム本塁打164本(2016年:114本塁打)を放ち、打線の破壊力が増した。そのデスパイネ選手とともに、その中心となったのが柳田悠岐選手だ。2015年シーズンにトリプルスリー(打率3割以上、30本塁打以上、30盗塁以上)をマークしたものの、2016年シーズンは不調もあり成績が下降。2017年シーズンは復活を賭けた1年でもあった。

終盤には故障で欠場となりがら、打率.310、31本塁打、99打点の成績をマークし、チームを牽引する役割を十二分に果たしたといえるだろう。日本シリーズでも第1戦から3戦連続で初回に先制のホームを踏むなどの活躍もあり、相手チームの脅威となった。
ケガで後半戦のほとんどを欠場した内川聖一選手。日本シリーズ第6戦の9回裏では、起死回生の同点本塁打を放つなど存在感を発揮し、キャプテンとしての存在感を果たしてくれた。
2018年シーズンは2連覇に加えあと25本に迫った2000本安打を目指すことになる。

【主な野手成績】
柳田悠岐選手
130試合/打率.310/31本/99打点

デスパイネ選手
136試合/打率.262/35本/103打点

内川聖一選手
73試合/打率.297/12本/50打点

2018年シーズンに向けて

日本シリーズ王者として臨むことになる2018年シーズン。主力選手に大きな変動はなさそうだが、誰しもが年を1つ重ねることになる。とくに内川選手、松田宣浩選手と主力内野手のふたりが35歳を超えベテランの域に入るため、次世代の育成を含めた起用を考えていかねばならないだろう。
若手の育成と同時に勝利を追求するのは簡単ではない。これまでプロ野球の歴史上、多くのチームが世代交代に苦しんできた。ここを乗り越えることができるかが鍵のひとつとなりそうだ。

投手陣では東浜選手、千賀選手、武田選手と先発ローテーションの柱が20代。中継ぎ陣もサファテ選手こそ37歳になるが、森選手、岩嵜選手、嘉弥真選手らは20代と働き盛りなので、盤石なブルペンを作り上げてくるだろう。佐藤義則投手コーチの退団が、今1番の気がかりだ。
工藤公康監督にとって4年目となる2018年シーズンは、投手・野手ともに万全な状態を敷き2014年、2015年以来の連覇を目指す。


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