「正力松太郎賞」に選ばれた最初の外国人選手、デニス・サファテ選手
※文章、表中の数字はすべて2017年シーズン終了時点
ソフトバンクの日本一奪回に、もっとも貢献した選手といって差し支えないだろう。シーズン54セーブの金字塔を打ち立てたデニス・サファテのことだ。
先日には外国人選手として初めて「正力松太郎賞」に選ばれるなど、日本球界に新たな歴史を刻んだ助っ人は、11月20日に発表となるパ・リーグMVPの最有力候補でもある。
※割合=奪三振÷対戦打者数
※対戦打者数が100以上の投手を対象
その圧倒的な投球は、奪三振割合の高さからも示されている。今季は238人の打者と対戦し、102個の三振を奪取。割合にすると42.9%で、これはNPB史上3位の数値だ。
また、日本でのキャリア通算では同34.0%となっており、対戦打者数が500以上の歴代投手でサファテを上回るのは、34.1%の佐々木主浩氏のみ。球史に残る剛腕であることを、もはや疑う余地はない。
2015年にも43.4%という奪三振割合を記録していたが、その頃と比べると、17年は追い込んだ後の投球に変化が見られた。
2年前にはカーブと同程度の投球割合にすぎなかったフォークを、今季は30%台まで増やしたのだ。打者からすれば、より注意を払うボールになったといえる
2ストライク時の投球割合の変化がもたらしたものと考えられるのが、高低別の奪空振り率だ。主に高めはストレートを、低めにはフォークを投げ込んでおり、フォークの割合を増やした今季は、高低による揺さぶりが一層強くなった。
その結果、それぞれのゾーンの奪空振り率がアップし、特に高めでは、17年のNPB救援投手平均の12.8%を大幅に上回っている。
※追い込んだ後のストレート投球数が200以上の投手を対象
そして、2ストライク時の奪空振り率をストレートだけに絞ると、今季は28.4%という数値をたたき出した。昨季までの自身と比較しても、傑出しているのは明らかだ。
毎年高いパフォーマンスを見せてきたサファテではあるが、「空振りを奪うストレート」という点で、今季はより際立つシーズンだったといえる。そして、その裏側にはフォークの存在があったことも、忘れてはならない重要要素であった。
日本一を決めた11月4日には、3イニングのロングリリーフを全う。大一番で見せた闘志むき出しのピッチングは、ナインやファンの胸を熱くさせた。
記録にも記憶にも残る1年を送った、タカの最強守護神。その献身的な姿と、残した功績は、「THE KING OF CLOSER」と呼ばれるにふさわしい。
企画、監修:データスタジアム 執筆者:土屋 翔馬
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