打率.381、wRAA6.4の細川成也
プロ野球セ・リーグは阪神が2年ぶり7度目の優勝を果たした。9月7日の優勝決定は2リーグ制となった1950年以降で最速V。10月に行われるクライマックスシリーズまで時間があるため、今後は各選手のコンディション調整にも腐心することになりそうだ。
一方、CSを争う4チームは2位・巨人から5位・広島まで5.5差しか離れておらず、ここから熾烈な戦いが待っている。
SPAIAでは9月2日から7日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。

12球団トップのwRAA6.4をマークしたのは中日・細川成也。全6試合で安打を放ち、21打数8安打の打率.381、4本塁打、5四球とパワーを発揮した。今季17本塁打を放っており、3年連続20発へあと3本に迫っている。
チームは先週2勝4敗で3位DeNAに3.5差の4位。残り18試合でCSへ逆転進出するには細川の活躍は不可欠だ。
阪神・佐藤輝明、巨人・岸田行倫も好調
ヤクルト村上宗隆も相変わらずの爆発力を披露した。12本塁打を放った8月に続き、9月に入っても20打数7安打の打率.350、4本塁打、6四球。細川に次いで12球団2位のwRAA5.8をマークした。4月中旬から3か月以上登録抹消されていたにもかかわらず、ここまで18本塁打を放っており、どこまで数字を伸ばすか楽しみだ。
優勝した阪神では、佐藤輝明が22打数8安打の打率.364、2本塁打、4四球で、チームトップのwRAA4.8。2年ぶりのペナント制覇に大きく貢献しただけでなく、36本塁打、89打点で二冠王へ突っ走っており、今後は40発100打点に届くかどうかがひとつの焦点となりそうだ。
4勝2敗と勝ち越した巨人では、岸田行倫がwRAA2.6でチームトップ。6試合中4試合でマルチ安打を記録し、22打数8安打の打率.364。4番を任される試合もあるほど阿部慎之助監督の信頼は厚く、攻守でチームに貢献している。
DeNA桑原将志、広島・菊池涼介も存在感
3位DeNAでは、桑原将志が2日の広島戦で3安打猛打賞、7日のヤクルト戦で4号ソロを放つなど21打数6安打、wRAA2.0だった。2番として起用されているが、クリーンアップへのつなぎ役だけでなく、ポイントゲッターとしても勝利に貢献している。
1勝5敗と負け越した5位・広島では、菊池涼介がwRAA1.5でチームトップだった。2日のDeNA戦で3安打を放つなど17打数5安打の打率.294。チームの窮地にベテランの経験がものを言うか。
早くも優勝は決まったが、CS争いはこれからが本番だ。週間MVPに輝いた好調選手にチームを活性化させる活躍が期待される。
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