打率.385、4本塁打、wRAA5.5の佐藤輝明
プロ野球セ・リーグの首位を独走する阪神が着々と優勝マジックを減らしている。2位・巨人以下も大型連勝はなく、差は縮まらない。阪神が夏のロードを無事に乗り切れば、いよいよ優勝へのカウントダウンに入りそうだ。
SPAIAでは8月5日から10日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。

期間中トップのwRAA5.5をマークしたのは阪神・佐藤輝明。5日の中日戦で逆転28号3ランを放つと、7日に29号ソロ、8日のヤクルト戦で30号ソロ、10日に31号ソロと26打数10安打の打率.385、4本塁打、8打点の大爆発だった。
阪神の生え抜き選手で30本塁打は1985年の掛布雅之(40本)、岡田彰布(35本)以来出ていなかったが、いとも簡単にクリア。本塁打、打点の二冠を独走しており、打率もリーグ上位につけているため三冠王すら見えてきた。
巨人キャベッジ、中日チェイビスも活躍
2勝3敗だったDeNAでは、蝦名達夫がwRAA5.4と高い数値を叩き出した。8月5、6日の広島戦で2号ソロ、3号2ランを連発するなど全試合で安打を放ち、19打数11安打の打率.579、2本塁打、7打点。8月に入ってグングン調子を上げている。
期間中4勝1敗と盛り返した巨人では、キャベッジが好調だ。5日のヤクルト戦で12号、13号を含む3安打4打点をマークするなど19打数7安打の打率.368。wRAA4.2と岡本和真の穴を埋める活躍を見せている。
中日ではシーズン中に加入し、7月31日に一軍登録されたばかりのマイケル・チェイビスがチームトップのwRAA2.9をマークした。20打数5安打ながら、7日の阪神戦で2号ソロを放ち、5四球を選ぶなどチームに貢献している。
広島モンテロも存在感、太田賢吾がトップも寂しいヤクルト勢
勝ちと負けを繰り返している広島では、エレフリス・モンテロがwRAA2.8。ドミニカから加入した助っ人は23打数8安打の打率.348、2本塁打。CS進出に向け、今後も活躍が期待される。
最下位ヤクルトでは、太田賢吾がチームトップだったものの、wRAA0.4と寂しい数字。村上宗隆が復帰したがケガ人も多い状況で、プロ11年目の28歳が奮闘している。
先週は蝦名以外にもオースティン、佐野恵太、梶原昂希らDeNA勢が高い数字を残しており、野手陣は調子を上げている。一方で巨人、中日、広島と外国人が名を連ねており、日本人選手の疲労蓄積などチームによって打線の調子や状況は違っている。
このまま阪神が突っ走るのか、それとも虎の尻尾にくらいつくチームは出てくるのか。熱い夏の戦いに注目だ。
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