打率.435、wRAA5.0の宮﨑敏郎
プロ野球は後半戦に入り、セ・リーグを独走する阪神に優勝マジックが点灯した。後半戦最初の8試合を6勝2敗と快調に白星を重ね、マジック34まで減少。2位・巨人に12ゲームの大差をつけている。一方、巨人から5位・広島までは3.5差にひしめいており、CS争いはまだまだ混戦が続きそうだ。
SPAIAでは7月26日から8月3日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。

セ・リーグトップのwRAA5.0を記録したのはDeNA宮﨑敏郎だ。3日の巨人戦は敗れたものの2回に先制3号ソロ、9回にマルティネスから同点4号ソロを放つ大暴れ。8月はなんと11打数7安打3本塁打8打点と絶好調で、後半戦合計でも23打数10安打の打率.435をマークしている。
牧秀悟が上半身のコンディション不良で登録抹消されたため、代役4番として獅子奮迅の大活躍。チームは後半戦3勝5敗と出遅れ、借金3の3位に甘んじているが、昨年日本一に輝いた強力打線の主軸として宮﨑にかかる期待は大きい。
阪神・佐藤輝明、ヤクルト村上宗隆も存在感
4勝4敗だった2位・巨人では、岸田行倫がwRAA4.8とバットでも貢献している。出場した全6試合で安打を放ち、21打数9安打の打率.429。7月27日の広島戦で3号ソロを含む2安打3打点、8月3日のDeNA戦でも4号ソロを含む2安打3打点と当たっており、最近は5番を任されることが増えている。
首位・阪神では佐藤輝明がチームトップのwRAA4.0をマークした。7月26日のDeNA戦で26号ソロ、8月2日のヤクルト戦で27号ソロを放つなど29打数7安打の打率.241ながらパワーを発揮。1985年の掛布雅之、岡田彰布以来40年ぶりとなる生え抜き選手による30発が見えてきた。
借金20の最下位ヤクルトはオールスターを挟んで8連勝するなど調子は上向き。その象徴が戦列復帰した村上宗隆だろう。復帰初戦の7月29日DeNA戦でいきなり1号ソロを放つと、その後も計3本塁打を放って23打数8安打の打率.348、wRAA3.8。5位・広島まで5.5差あるが、主砲が最下位脱出に導くか。
中日・細川成也、広島・末包昇大もパンチ力発揮
3勝5敗だった4位・中日では、細川成也が8試合で4発。7月27日のヤクルト戦で2打席連発するなどパンチ力をいかんなく発揮し、31打数9安打の打率.290、wRAA3.4をマークした。現在、借金8だが、3位DeNAまで2.5差しかなくCS出場へここからが正念場だ。
3勝5敗だった広島では、末包昇大がwRAA2.2でチームトップ。8月3日の中日戦で8号ソロを含む2安打を放つなど、24打数8安打の打率.333をマークした。7月に入った頃は2位だったが5位まで沈んだ広島。課題の得点力アップへ末包のバットに期待がかかる。
各チームとも100試合近くを消化し、ここからが勝負どころ。阪神がこのまま突っ走るのか、CS争いはどうなるのか、週間MVPに輝いた好調打者がキーマンの一人と言えそうだ。
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