助っ人補強はここまで投手のみ
2024年は3年連続の4位に終わった楽天。変革を図るべく交流戦で初優勝するなど一定の成果を見せていた今江敏晃監督を1年で解任し、二軍監督だった三木肇氏を5年ぶりに一軍監督へと復帰させた。チームの戦力事情に精通する新指揮官のもと、逆襲を期すシーズンに臨む。
このオフは日米通算200勝まであと3勝に迫っていた球団の顔ともいえる田中将大が退団。また茂木栄五郎が国内FA権を行使してヤクルトへと移籍した。
4年ぶりのAクラスを目指す上で投手、野手ともに戦力アップが必要となる中、ここまでヤクルトからの選手獲得が目立つ。自由契約となっていたヤフーレと契約したのを皮切りに、金銭トレードで今野龍太、現役ドラフトでは柴田大地、そしてFA茂木の人的補償で小森航大郎と4選手を獲得している。
ここまでの新加入選手は以下の通り。
【FA人的補償】
小森航大郎内野手(21)ヤクルト
【トレード】
今野龍太投手(29)ヤクルト
【外国人】
スペンサー・ハワード投手(28)3Aサクラメント
ミゲル・ヤフーレ投手(26)ヤクルト
蕭齊投手(19)台湾※育成契約
【現役ドラフト】
柴田大地投手(27)ヤクルト
【他球団戦力外・自由契約】
加治屋連投手(33)阪神 ※育成契約
【ドラフト】
1位:宗山塁内野手(21)明治大
2位:徳山一翔投手(22)環太平洋大
3位:中込陽翔投手(22)徳島インディゴソックス
4位:江原雅裕投手(24)日鉄ステンレス
5位:吉納翼外野手(22)早稲田大
6位:陽柏翔内野手(19)茨城アストロプラネッツ
育成1位:岸本佑也内野手(17)奈良大附属高
新外国人選手はヤクルトから移籍のヤフーレ含め投手を3人補強。最速158キロを誇るハワードは2020年にフィリーズでメジャーデビュー。その後、レンジャーズ、ジャイアンツ、ガーディアンズと渡り歩きMLB通算47試合で4勝13敗、防御率7.00の成績を残した。MLB通算144イニングで136奪三振と奪三振能力に優れており、先発ローテの一角として期待される。
トレードで獲得した今野龍太は2019年以来の古巣復帰となった。楽天在籍時は6年間で一軍登板は15試合のみだったが、ヤクルト移籍後の5シーズンで167試合に登板。2021年には自己最多64登板で7勝1敗28ホールド、防御率2.76の好成績を残した。現役ドラフトで加入の柴田大地とともにブルペン陣を支えることができるか。
野手ではドラフト1位ルーキーの宗山塁が最大の補強だろう。20年に1人の逸材と評され、ドラフトでは5球団が競合した走攻守3拍子揃った遊撃手の加入は、内野レギュラー陣にとって大きな刺激となることは間違いない。昨季、正遊撃手として139試合に出場した村林一輝とのハイレベルなレギュラー争いに注目だ。