大阪学院大高がセンバツ出場なら29年ぶり
第97回選抜高校野球大会の出場校が24日に行われる選考委員会で決定する。注目ポイントのひとつが6校が選ばれる近畿地区。全国制覇経験のある履正社(大阪1位)と大阪桐蔭(大阪2位)が昨秋近畿大会で初戦敗退し、1927年の第4回大会以来98年ぶりに大阪から選出されない可能性があるのだ。
多くの年は前年の秋季近畿大会ベスト4と、準々決勝で敗れた中から2校を加えた6校が選ばれる。大阪から唯一ベスト8に勝ち上がった大阪学院大高(大阪3位)が選ばれるかどうか、同じくベスト8の滋賀学園(滋賀1位)、滋賀短大付(滋賀2位)、立命館宇治(京都1位)との争いとなる。
選ばれれば29年ぶり2回目のセンバツとなる大阪学院大高。唯一の甲子園出場だった1996年センバツでは、横浜(神奈川)、米子東(鳥取)に勝って準々決勝で高陽東(広島)に敗れた。29年ぶりの出場となれば喜ぶオールドファンも多いだろう。
甲子園出場は1度しかないとはいえ、何と言ってもプロで206勝193セーブを挙げた江夏豊の母校だ。江夏の高校3年時は大阪大会準決勝で桜塚に敗退。その後も第100回記念大会だった2018年の北大阪大会でも決勝進出しながら大阪桐蔭に敗れるなど、大阪では上位の常連ながら甲子園には届かなかった。
昨春優勝の立役者・今坂幸暉
昨春の大阪大会でも優勝。4回戦で履正社に9-8でサヨナラ勝ち、準々決勝で大阪桐蔭に2-1で逆転勝ちし、決勝は興国に4-1で快勝した末の頂点だった。
春季大会は甲子園につながらないため、夏の選手権で初の甲子園出場が期待されたが、大阪大会初戦で同志社香里にまさかの敗戦。にわかに現実味を帯びていた聖地はお預けとなった。
そのチームで主将を務め、3番ショートとして打線を牽引していたのが、昨秋ドラフトでオリックスから育成1位指名された今坂幸暉だ。
大阪学院大高からのプロ入りは江夏豊のほか、1972年に南海入りした筒井良紀、大阪商業大を経て2014年ドラフト9位で中日入りした金子丈と合わせて4人しかいない。プロのスカウト陣から熱視線を集めた野球センス、身体能力の高さは折り紙付きだ。
背番号は「051」。育成指名選手は1位から6位まで順に051から056と並んでいるため深い意味はないだろうが、0を取れば、あのイチローが背負っていた51。ポスティングシステムでマリナーズへ移籍した2001年以降、誰もつけていない伝説のナンバーだ。
高卒で3拍子揃った右投げ左打ちの強打者という点で、今坂はイチローと似たタイプと言える。もちろん、まだまだスケールは小さいものの、将来的にレギュラーを張る選手に育っても何ら不思議ではない。端正なマスクでスター性も十分だ。
いつか江夏やイチローのような偉大な先達に近付くことができるか。現在は大阪・舞洲のオリックス二軍施設で、後輩たちの吉報を心待ちにしながら汗を流す。自身がつかめなかった甲子園の夢は後輩たちに託し、さらに大きな目標へ突っ走っている。
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