最下位からの巻き返しへ改革断行
松井稼頭央体制2年目となった2024年、西武は前年5位からの逆襲を期して臨んだが、歴史的な貧打にあえぎシーズン序盤から低迷した。交流戦を前に松井監督が休養となり、渡辺久信GMが監督代行を務めるもチームの状態は上がらず。最終的に球団ワーストを更新する91敗(49勝3分け)を喫するなど勝率.350で3年ぶりの最下位に沈んだ。
2025年は一からチームの立て直しを図るべく、西武一筋21年、投手として通算182勝を挙げた西口文也氏が新指揮官に就任。コーチ陣もヘッドコーチに鳥越裕介氏を外部から招聘するなど大幅に刷新し、屈辱的なシーズンからの巻き返しを狙う。
まずは、戦力整備に着手。昨季補強した助っ人4人全員と契約を更新せず、昨季までオリックスに在籍したレアンドロ・セデーニョら3選手を新たに獲得。さらに、外崎修汰をセカンドからサードにコンバート、先発に転向していた平良海馬を守護神に指名するなど積極的な動きを見せている。
新加入選手は以下の通り。
【外国人】
エマニュエル・ラミレス投手(30)3Aバッファロー
トレイ・ウィンゲンター投手(30)カブス
レアンドロ・セデーニョ内野手(26)オリックス
【現役ドラフト】
平沢大河内野手(27)ロッテ
【他球団戦力外・自由契約】
黒木優太投手(30)日本ハム ※育成契約
仲田慶介内野手(25)ソフトバンク ※育成契約
【ドラフト】
1位:齋藤大翔内野手(17)金沢高
2位:渡部聖弥外野手(22)大阪商業大
3位:狩生聖真投手(18)佐伯鶴城高
4位:林冠臣外野手(22)日本経済大
5位:篠原響投手(18)福井工業大福井高
6位:龍山暖捕手(18)エナジックスポーツ高
7位:古賀輝希内野手(24)千曲川硬式野球クラブ
育成1位:冨士大和投手(18)大宮東高
育成2位:佐藤太陽内野手(22)神奈川大
育成3位:ラタナヤケ・ラマル・ギービン外野手(18)大阪桐蔭高
育成4位:佐藤爽投手(21)星槎道都大
育成5位:澤田遥斗外野手(18)京都国際高
育成6位:福尾遥真内野手(18)学法石川高
育成7位:ウメビンユオ・オケム明外野手(18)旭川志峯高
長打力不足解消へ強力な助っ人の加入が決まった。昨季オリックスでチーム最多の15本塁打を記録したセデーニョの獲得に成功。打線は昨季、助っ人の不振もありシーズンを通して主軸を固定できず、リーグワーストの60本塁打に終わっただけに、NPBでの実績もある大砲の加入は頼もしい限りだろう。
投手ではメジャー経験のあるエマニュエル・ラミレスとトレイ・ウィンゲンターの2人のリリーバーを獲得。守護神・平良海馬につなぐセットアッパー候補として期待がかかる。
他球団を自由契約となった選手では、黒木優太投手、仲田慶介内野手といずれも育成契約を結んだ。また、現役ドラフトではロッテから平沢大河内野手を獲得。2018年に外野に挑戦し、キャリアハイの112試合に出場。2019年以降は故障や打撃不振で思うような結果を残せていないが、レギュラー不在の外野陣に新風を吹き込む活躍が期待される。
また、昨秋のドラフト会議では支配下で7選手を指名したが、そのうち5人が野手。ドラフト2位の渡部聖弥、同4位の林冠臣、同7位の古賀輝希は即戦力として、レギュラーをつかみ切れていない若獅子たちに刺激を与える存在となるか注目だ。