西舘勇陽が新人初の開幕から10試合連続ホールド
今季もニューヒーローが数多く誕生したプロ野球。西武のドラフト1位左腕・武内夏暉がパ・リーグでは7年ぶりとなるルーキーでの新人王に輝くなど、新人選手たちの活躍も光った。
そこで今年のルーキーたちが一軍でどのような活躍を見せたのか、球団ごとに通信簿を作成した。投手は「球威」「制球力」「奪三振」「総合」、野手は「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」のそれぞれ4項目について、5段階で評価している。
今回は2020年以来のセ・リーグ制覇を成し遂げた巨人のルーキーたちを見ていく。
投手ではドラフト1位・西舘勇陽が一軍戦力となった。即戦力として大きな期待を背負い入団した右腕は勝ちパターンの一角として開幕一軍入りすると、代名詞のクイック投法を武器に、新人初の開幕から10試合連続ホールドを記録。5月26日の阪神戦ではプロ初勝利もマークした。
後半戦からは先発に転向し、8月23日の中日戦でプロ初先発を果たすも5回6安打4失点で2勝目はならず。最終的にルーキーイヤーは28試合に登板し、1勝3敗1セーブ20ホールド、防御率3.82の成績を残した。
投手の各項目は球威がリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算定した。
西舘はストレートの平均球速が150.0キロを記録し、球威評価は「4」、K%は19.8%でリーグ平均(18.5%)をやや上回って奪三振評価は「3」。一方、BB%は11.1%と四球は多めだったため、制球力評価は「2」、FIPは3.68で総合評価は「3」となった。来季は先発として1年間ローテーションを守ることができるか注目だ。
ドラフト2位の森田駿哉は2月の春季キャンプで肘に違和感を覚え、4月に左肘関節鏡視下クリーニング術を受けた。リハビリ後、シーズン終盤の9月10日に二軍で初登板。2番手として2回を3安打4奪三振無失点に抑え、初勝利をマークした。来季は一軍での活躍が期待される。
同5位の又木鉄平は一軍では3試合に先発するも0勝1敗、防御率6.10でプロ初勝利はならず。二軍では20試合に登板し、5勝3敗、防御率2.07だった。