九里は国内外で争奪戦に、原口は出場機会求め権利行使
広島・九里亜蓮投手と阪神・原口文仁内野手が12日、FA(フリーエージェント)権を行使することを表明した。申請期限となる13日が迫る中、FA権を保有する各球団の主力選手たちの動向に一層注目が集まっている。
海外FA権を行使した九里は2021年オフに3年契約を結び、今季が契約最終年だった。その今季は自身初の開幕投手を務め、23試合に先発、131.2イニングを投げ、7勝10敗、防御率3.21をマーク。2017年から8年連続で100イニング以上を記録しており、国内外で争奪戦となる可能性が高い。
原口は帝京高から2010年ドラフト6位で入団。6年目の2016年にキャリアハイとなる107試合に出場し、11本塁打をマーク。その後、大腸がんを患ったが、手術とリハビリを乗り越えて復活した。15年目の今季は主に代打として52試合に出場し、打率.241、2本塁打、9打点の成績を残していた。
球団を通じ「この度FA権を行使することを決断いたしました。15年間お世話になったタイガース球団、いつも日本一の熱い声援で背中を押してくれたファンの皆様には感謝しかありません。ただ、いち野球人として、もう一度挑戦したいという思いが強く、この度、決断に至りました」とその胸中を明かした。
12日までに6選手が権利行使を表明
一方、同僚の糸原健斗内野手はFA権を行使せずに残留することを表明。「残留を決めた1番の理由は、やはりこのチーム、そしてタイガースファンのみなさんと、また優勝の喜びを分かち合いたいという気持ちが強かったことです。来シーズンもチームのために精一杯頑張りますので、引き続き、ご声援の程よろしくお願いします」とコメントを発表した。
また、26年ぶりの日本一に輝いたDeNAの佐野恵太外野手、4年ぶりにセ・リーグを制した巨人の大城卓三捕手もFA権を行使せず残留することを表明。ロッテ・西野勇士投手、楽天・酒居知史投手も同様に残留することが球団から発表された。
今オフはここまで6選手がFA権の行使を表明。巨人・菅野智之投手は海外FA権を行使してメジャー挑戦の意向。ソフトバンクからは2020年最多勝の石川柊太投手がFA宣言し、2021年の東京五輪、昨年のWBCで日本代表として世界一にも貢献した甲斐拓也捕手も行使の意向が報じられている。
さらに、楽天・茂木栄五郎内野手と中日・木下拓哉捕手が既に球団へ申請書類を提出済み。申請期限は今日13日が最終日となる。今季国内FA権を取得した阪神・大山悠輔内野手や海外FA権を保有している中日・高橋周平内野手らの動向が注目される。
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