CSのチーム打率、長打率、OPSともソフトバンクが上
セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ最終戦でDeNAが巨人との接戦を制し、7年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。相手はCSを3連勝で勝ち上がったパ・リーグ王者ソフトバンク。2017年もセ・リーグ3位のDeNAがパ・リーグ優勝のソフトバンクに挑む今年と同じ構図だったが、2勝4敗で敗れた。
リーグが違うため単純に戦力比較はできないものの、パ・リーグを独走し、山川穂高が本塁打と打点の二冠、近藤健介が最高出塁率、周東佑京が盗塁王、有原航平が最多勝と多くの個人タイトルを獲得した巨大戦力を誇るソフトバンクに勝つのは容易ではない。
シーズンのチーム打率はDeNAが.256、ソフトバンクが.259と差はない。DeNAも首位打者に輝いたオースティンや牧秀悟、佐野恵太、宮﨑敏郎らが並ぶ打線は強力だ。
ただ、CSでのチーム打撃成績を比較すると、以下のようにソフトバンクが上回っている。DeNAの打率.249、長打率.381、OPS.688に対し、ソフトバンクは打率.302、長打率.552、OPS.885。試合数が5試合も違うにかかわらず、本塁打数はともに6本だ。
主軸に元気ないDeNA打線
DeNAは阪神とのファーストステージ第2戦のみ10得点と爆発したが、それ以外に3点以上奪った試合はない。主な打者の打撃成績も以下の通りで、ファーストステージで8打数5安打の打率.625だった牧秀悟もファイナルステージでは21打数5安打の打率.238と当たりが止まった。
CS8試合の通算打率は桑原将志が.222、牧秀悟が.345、佐野恵太が.226、オースティンが.185、宮﨑敏郎が.194、戸柱恭孝が.346、梶原昂希が.200、森敬斗が.308となっており、主軸に元気がない。
投手陣が粘り強く投げれば接戦に活路
看板の打線が湿っているにもかかわらず巨人との激戦を勝ち上がったのは投手陣の踏ん張りによるところが大きい。シーズンのチーム防御率はセ・リーグ5位の3.07だったが、CSでは8試合で計13失点に抑えているのだ。
当初は先発投手の頭数が足りるかどうか心配されるほどだったが、蓋を開けると阪神戦は東克樹、ジャクソン、巨人戦はケイ、大貫晋一、吉野光樹、ジャクソン、濱口遥大、ケイが好投。左太もも裏肉離れで離脱した東克樹も日本シリーズでの登板に意欲を見せている。
さらに接戦を勝利につなげているのが中継ぎ陣だ。主な投手のCS成績は以下の通りとなっている。
坂本裕哉は6試合、中川颯は3試合、堀岡隼人は3試合、佐々木千隼は2試合、伊勢大夢は5試合、森原康平は4試合に登板して防御率0.00。山﨑康晃も4試合で1.93、ウェンデルケンも4試合で2.46をマークしている。
打線が看板のチームではあるものの、ソフトバンク投手陣から大量得点は期待できない。DeNAが下剋上を果たすには、やはり接戦に持ち込んで泥臭く勝ち抜くしかないだろう。
CSが始まった2007年以降、リーグ3位から日本一に上り詰めたのは2010年のロッテのみ。さらにDeNAの日本シリーズ制覇は1998年が最後だ。
14年ぶりの下剋上、26年ぶりの日本一なるか。26日、ホーム・ハマスタに埋まるであろう大観衆の前で初戦に臨む。
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