主力2人流出も健闘した投手陣
リーグ4連覇を目指し臨んだ今季は4年ぶりのBクラスとなる5位に沈んだオリックス。昨季までリーグ3連覇を果たし、2022年には26年ぶりに日本一に導いた中嶋聡監督は、その責任を取る形で最終戦終了後に辞任を表明した。
新監督には、岸田護投手コーチの内部昇格が最有力と報じられており、来季は新体制で5位からの巻き返しを図る。10月24日に開催されるドラフト会議は、その来季に向けてチームの戦力を強化する最重要の場となる。本稿では、現時点で在籍する選手のポジション・年齢等の分布表から戦力を考察した上で、指名候補も含めオリックスのドラフト補強ポイントを考えていく。
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投手陣は昨季からエースの山本由伸と左腕の山﨑福也が抜けたが、今季のチーム防御率2.82はリーグ2位。先発防御率も2.88で3位と、主力2人を失った中で健闘した。昨季まで実績のあった宮城大弥と田嶋大樹に加え、2022年ドラフト1位の曽谷龍平、新助っ人のエスピノーザとカスティーヨがローテーションの一角を担った。
昨季躍進した山下舜平大と東晃平の両右腕が成績を落とした中でも、昨季と遜色ない成績を残しており、層の厚さを感じさせる。育成サイクルもうまく回っているため、ドラフトでは他のポジションを優先しつつ、潜在能力の高い投手を適宜ピックアップしていきたい。
一方のリリーフ陣も防御率2.67でリーグ2位の数字をマークした。抑えの平野佳寿にセットアッパーの山﨑颯一郎、宇田川優希と主力が相次いで離脱するも新戦力が台頭。新助っ人のマチャドとペルドモが勝ちパターン入りし、ドラ6ルーキーの古田島成龍は50試合に登板して防御率0.79の好成績でブルペンを支えた。
さらに、トレード加入の吉田輝星と現役ドラフトで獲得した鈴木博志もブルペン陣を支える働きを見せていた。ただ、リリーフの枚数はいくらいてもいいだけに、昨年同様、下位指名で社会人の即戦力となる人材の獲得を狙いたいところだ。
クリーンアップ候補と未来の正捕手指名か
捕手は今季も若月健矢が87試合、森友哉が47試合と主力2人がスタメンマスクを分け合った。補強優先度は高くないが、内野での出場メインの頓宮裕真、育成の村上喬一朗を含めても7人しかおらず、層の薄さは否めない。将来性の高い大学生捕手を獲得して、福永奨、堀柊那らと競わせたいところだ。
内野手では、昨季の首位打者・頓宮裕真に、宗佑磨、紅林弘太郎と3連覇を支えたレギュラー陣が揃って不調に。レギュラー不在だった二塁で、34歳の西野真弘と23歳の太田椋が奮闘したものの、カバーしきれなかった。
昨年1位で獲得した横山聖哉に、一昨年のドラ2・内藤鵬と上位で有望株を指名しているが、もう少し層を厚くしておきたいところ。特に、長打力のある一、三塁の候補がいれば積極的に補強しておきたい。
外野陣も杉本裕太郎、福田周平、茶野篤政らレギュラー格がぱっとせず、FAで獲得した西川龍馬も期待していたほどの成績を残せなかった。来田涼斗、池田陵真ら期待の若手はいるものの、まだまだ発展途上。貧打に泣いた打線の状況も加味して、ドラフトでは即戦力となる強打者の獲得を狙いたい。
打力ある野手を優先的に補強
以上により、以下の3つを優先補強ポイントとして挙げたい。
1.強打が魅力の即戦力野手
今季は3連覇の反動か野手陣が軒並み成績を落としただけに、即戦力野手を最優先で指名したい。今年の候補の中では青学大・西川史礁外野手がその筆頭候補となるだろう。大学日本代表の4番も務めた強打者は、長打力とミート力を併せ持ち、センターを守れる守備力も兼備。1年目から外野レギュラーを張れるだけの実力は十分にある。
また、同じ青学大の三塁手、佐々木泰は長打力がピカイチ。調子の波は激しいが、捉えた打球は右方向でもスタンドへ放り込める天性の長距離砲。今季は三塁のレギュラーが定まらなかっただけに、ぜひとも獲得しておきたい選手の1人だ。
2.今ドラフトの超目玉・関西大の金丸夢斗
先発投手の優先度はそれほど高くないが、今ドラフトの超目玉が”お膝元”にいる。関西大の最速154キロ左腕・金丸夢斗だ。関西学生リーグで4年春までに20勝3敗、防御率0.88、奪三振率11.78と圧巻の成績を残している即戦力の逸材。1位での競合必至だが、地元出身の逸材をみすみす逃すわけにはいかないだけに、1位で誰を指名するのか悩みどころだ。
3.即戦力リリーフ
今年も下位指名で即戦力となる投手を確保しておきたい。右腕なら木下里都(KMGホールディングス)、江原雅裕(日鉄ステンレス)、左腕なら荘司宏太(セガサミー)、中島悠貴(茨城トヨペット)らが候補となるだろう。髙島泰都、古田島成龍らを指名した目利きに今年も注目だ。
※表の年齢は2024年12月31日時点
※育成選手、引退及び退団が発表された選手は含まず(10月8日時点)
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