大城卓三は週間打率.529、wRAA4.7
先週のセ・リーグは首位・広島が1勝5敗と負け越し、4勝1敗と勝ち越した2位・巨人がゲーム差なしに迫った。3位・阪神も4勝2敗と勝ち越し、同じく貯金2の4位・DeNAとともに首位と1ゲーム差に接近。最下位ヤクルトまで7ゲーム差の混戦が続いている。
SPAIAでは7月2日から7日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
12球団トップのwRAA4.7をマークしたのは巨人・大城卓三。全5試合のうち4試合でマルチ安打、7日のヤクルト戦で3号2ランを放つなど17打数9安打の打率.529、1本塁打、4打点と大暴れした。
捕手登録だが、最近は小林誠司と岸田行倫に本職を譲り、5番ファーストでの出場が増加。7年目はバットでチームに貢献している。
阪神・前川右京、中日・石川昂弥の若手も躍動
DeNAは佐野恵太がチームトップのwRAA2.6をマークした。4日のヤクルト戦で猛打賞を記録するなど24打数10安打の打率.417、5打点。オースティン、牧秀悟、宮﨑敏郎と並ぶ強力クリーンアップの後を打つ6番として存在感を放っている。
阪神は3年目・前川右京が調子を上げている。6試合中3試合でマルチ安打を記録し、24打数7安打の打率.292、wRAA2.3だった。森下翔太が二軍落ちしたため3番として起用されることも増えており、21歳のスラッガーが成長の後を示している。
中日は23歳の石川昂弥が好調だ。16打数7安打の打率.438、wRAA2.2をマーク。チームはセ・リーグで唯一200得点以下(180得点)と得点力不足が課題だが、若い芽は着実に育っている。
サンタナはケガ気掛かり、広島打線は低調
最下位のヤクルトはドミンゴ・サンタナがチームトップのwRAA2.1をマークした。12打数5安打の打率.417で、シーズン通算でもリーグトップの打率.315。ただ、ここ2試合は下半身の張りで欠場しており、状態が気掛かりだ。
広島は野間峻祥がチームトップとはいえ、15打数3安打の打率.200、wRAA0.3にとどまっており、打線は全体的に低調だ。先週は6試合合計でわずか10得点。暑い夏場を乗り切ってペナントレースを制するためにも純国産打線の復調が待たれる。
阪神・前川、中日・石川ら若手の活躍が目立った先週。長いシーズンの疲労が蓄積してくる時期だけに、活きのいい選手たちのプレーはチームを活性化させる。オールスターまで残り2週間。週間MVPに輝いた選手たちは、各チームのキーマンの一人と言えそうだ。
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