岡大海がwRAA4.6で12球団トップ
プロ野球は先週からリーグ戦が再開し、3試合ずつを消化。首位のソフトバンクはロッテに2勝1分けと勝ち越して貯金を24にまで伸ばし、2位・日本ハムとのゲーム差を10にまで広げた。最下位の西武は6カード連続の負け越しを喫し、借金は今季最多の26にまで膨らんでいる。
SPAIAでは6月18日から23日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
先週はロッテの岡大海が12球団トップとなるwRAA4.6を記録した。岡は全3試合に1番でスタメン出場して13打数8安打の打率.635をマーク。21日のソフトバンク戦(みずほPayPay)では今季2度目の1試合4安打を放つなど、打棒が爆発した。
これで13日のDeNA戦から7試合連続安打、さらに15日の中日戦から5試合連続複数安打と絶好調。打率も.286でリーグ6位に急浮上し、二塁打は既にキャリアハイを超える17本で同2位と、今年33歳を迎える外野手が打撃開眼のシーズンとなっている。
近藤健介が2週連続チーム1位、レイエスが初の4番スタメンで猛打賞
首位を走るソフトバンクでは、wRAA3.5で近藤健介が2週連続チームトップだった。21日のロッテ戦で今季3度目の猛打賞を記録するなど全3試合でヒットを放ち、11打数6安打の打率.545をマーク。23日のロッテ戦で今季11号2ランを放ち、リーグトップの同僚・山川穂高に1本差に迫った。6月に入って打率.436、5本塁打、17打点と手がつけられない状態だ。
2位につけている日本ハムでは、フランミル・レイエスがチームトップのwRAA3.3を記録した。途中出場した21日の楽天戦(エスコンF)では3号グランドスラムを放ち、翌22日の同戦では来日初の4番スタメンで出場し、3安打猛打賞の活躍で勝利に貢献。不振のため二軍落ちを経験した巨漢助っ人が、15日に一軍復帰早々、存在感を放っている。
1勝1敗1分けだった楽天では浅村栄斗が上昇ムード。21日の日本ハム戦で今季初の3安打猛打賞を記録するなど、3試合で12打数6安打の打率.500、1本塁打、3打点。チームトップのwRAA3.0をマークした。6月からはクリーンアップを外れ、ベンチを温める試合もあるなど不振に苦しんできた主砲に、ようやく当たりが戻ってきた。
児玉亮涼がバットでアピール、セデーニョが1カ月半ぶりの一発
最下位に低迷している西武では、児玉亮涼がwRAA2.4でチームトップだった。先週は「7番サード」で全3試合にスタメン出場し、8打数4安打の打率. 500、二塁打と三塁打1本ずつなどバットでアピール。4月5日に出場選手登録されて以降、与えられた打席は30と出場機会は少ないが、この巡ってきたチャンスを生かしてレギュラーの座を射止めることができるか。
2勝1敗だったオリックスでは、セデーニョがチームトップのwRAA1.9を記録した。スタメン出場は23日の西武戦(京セラD大阪)の1試合のみだったが、その試合で5月8日の楽天戦(楽天モバイル)以来となる8号ソロを放ち、チームの勝利に貢献。5月は打率.103と苦しんだが、この一発をきっかけに上昇気流に乗ることができるか注目だ。
全国的に梅雨入りし、開幕から出ずっぱりの主力選手たちはそろそろ疲れが見えてくる時期に突入。先週は不振に陥った助っ人の復調が目立ったが、タフな戦いとなる夏場を乗り切るためにニューヒーローの誕生にも期待したい。
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