オースティンは週間打率.385、wRAA5.3
交流戦は楽天の初優勝が決まり、雨天順延となった1試合を残すのみとなった。先週のセ・リーグ勢はDeNAが6戦6勝、先々週の日曜から都合7連勝で交流戦3位フィニッシュ。シーズン通算でも32勝31敗1分けの貯金1とし、2位で並ぶ阪神と巨人にゲーム差なしまで迫った。
SPAIAでは6月11日から16日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
DeNAの7連勝の原動力となった一人がタイラー・オースティンだ。26打数10安打の打率.385、2本塁打、5打点をマーク。wRAAは12球団トップの5.3だった。
右太もも裏の肉離れで4月13日に登録抹消されたが、5月17日に戦列復帰してからはグングン調子を上げている。6月12日のロッテ戦では6号2ランを含む2安打、16日の西武戦でも7号ソロを放つなど3番としてチームに貢献。11日に一軍復帰した2番・度会隆輝とともに好調DeNAを牽引している。
カリステ、ヘルナンデス、サンタナも好調
中日はオルランド・カリステがチームトップのwRAA3.1をマークした。11日の日本ハム戦で4号ソロを含む3安打、13日の同戦でも5号ソロを含む2安打を放つなど22打数8安打の打率.364、2本塁打。先週は1番で5試合、3番で1試合出場しており、貢献度は高い。
先週3勝3敗だった巨人はエリエ・ヘルナンデスがwRAA2.7でチームトップだった。5月に入団し、同28日に一軍登録。いきなり8試合連続安打をマークし、先週も24打数8安打の打率.333、1本塁打と好調をキープ。2番、3番、5番で起用され、チームの穴を埋める活躍を見せている。
交流戦9勝7敗2分けと勝ち越したヤクルトは、ドミンゴ・サンタナが引き続き好調だ。21打数6安打、1本塁打、4四球でwRAA2.5をマーク。リーグトップの打率.314だけでなく、12日のソフトバンク戦で10号ソロを放ってホームランダービーでもリーグ3位に浮上した。
広島・二俣翔一、阪神・梅野隆太郎も貢献
4勝2敗でセ・リーグ首位をキープしている広島は二俣翔一がチームトップだったが、wRAAは0.7と高くない。4試合に出場して9打数3安打、1四球。2020年育成1位で入団して4年目の21歳が、DH制のある交流戦でチャンスを活かした格好だ。今後の飛躍につなげられるか。
交流戦6勝11敗と失速した阪神は梅野隆太郎がバットでも貢献した。12打数3安打、2四球、wRAA0.4ながら、13日のオリックス戦では打っては2安打1打点、守っては西勇輝を完封リード。チーム成績が落ち込む中で奮闘している。
18日に阪神―日本ハム(甲子園)を残すものの交流戦の順位もほぼ確定。今週末からリーグ戦が再開される。暑くなるこれからがペナントレースの分かれ目だろう。週間MVPに輝いた好調選手がリーグ戦再開後も活躍することが期待される。
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