西武・武内夏暉が12球団の新人最速でプロ初勝利
3月29日に開幕したプロ野球は14日、セ・パ両リーグともに対戦が一回りを終えた。気になるのは、即戦力投手が大豊作と言われた昨年のドラフトで1位指名されたルーキーたちの活躍だ。下馬評通りの実力を発揮しているのか、12球団のドラ1たちのここまでを振り返ってみたい。今回はパ・リーグ編。
DeNAの度会隆輝とともに昨年最多の3球団競合となった西武の武内夏暉(国学院大)は、その期待通りの活躍を見せている。3日のオリックス戦でプロ初登板初先発した左腕は、リーグ3連覇中の王者相手に7回85球を投げて1安打7奪三振無失点で、二塁も踏ませない快投。昨季の新人王・山下舜平大に投げ勝ち、12球団の新人最速でプロ初勝利を挙げた。
2度目の先発登板となった10日のロッテ戦では序盤に3四死球と制球に苦しんだものの、7回88球4安打2失点にまとめ、2試合連続でHQS(7回以上自責点2以下)を達成。球団新人初のデビュー2連勝とはならなかったが、ここまで前評判に違わぬ投球を見せている。登板間隔の調整のため、11日に登録を抹消されたが、次回登板が待ち遠しい限りだ。
大学生野手で唯一の1位指名となったロッテの上田希由翔(明治大)は、腰痛で離脱した安田尚憲に代わり2日のソフトバンク戦で急きょ一軍に合流。翌3日の同戦で初スタメンに抜擢され、4日の同戦でプロ初安打を放った。
12日の楽天戦では、7回一死満塁の場面に代打で登場し、きっちり犠牲フライを放ちプロ初打点をマークするなど勝負強さを発揮。ここまで7試合に出場し、打率.313、3打点をマークしている。
横山聖哉、前田悠伍の高校生組は順調
武内と大学時代に「東都大学リーグ」でしのぎを削った最速158キロ左腕の日本ハム・細野晴希(東洋大)は、二軍でキャンプを完走。投球フォームを修正しながらじっくり調整を進めており、4月中の実戦デビューを目指している。
桐蔭横浜大から楽天へ入団した古謝樹はオープン戦で2試合に登板して防御率4.50と結果を残せず、開幕は二軍スタート。それでもここまでイースタン・リーグで3試合に先発して、2勝無敗、防御率1.93と好成績を残しており、一軍昇格を視野に入れている。
オリックスの横山聖哉(上田西高)は2月のキャンプから順調にメニューを消化。12日にウェスタン・リーグの中日戦で実戦デビューし、初安打を記録。翌日の同戦では逆転タイムリーを放ち、公式戦初打点もマークするなど早くも存在感を示している。
大阪桐蔭高からソフトバンクへ入団した前田悠伍は、球団考案の「特別育成プログラム」に沿って順調に調整中。7日にはプロ入り後初のシート打撃に登板した。4月19~21日のウエスタン・リーグ、広島との3連戦(タマスタ筑後)で公式戦デビューする予定だ。
即戦力として期待された大学生たちが早速結果を残しているが、横山、前田の高校生組も順調にデビューへの歩みを進めている。彼らが一軍で活躍する日もそう遠くはないかもしれない。
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