セ・リーグ史上初の開幕2戦連発から急失速
ゴールデンルーキーが早くもプロの壁にぶち当たっている。DeNAのドラフト1位ルーキー・度会隆輝は、10日の中日戦(横浜スタジアム)まで全11試合に「1番ライト」でスタメン出場しているが、45打数10安打の打率.222と2割前半まで落ち込んでいる。
滑り出しは順調だった。オープン戦では出場した全16試合で安打を放ち、53打数23安打の打率.434で10年ぶり史上2人目となる新人首位打者に。そして、開幕スタメンにトップバッターとして名を連ねると、第2打席にプロ初安打となる第1号3ランを放つ華々しいデビューを飾った。
さらに、続く開幕第2戦でも第2号2ランを放ち、チーム24年ぶりの本拠地開幕での2連勝に貢献。新人による開幕2戦連発はセ・リーグ初となる快挙だった。その明るいキャラクターも相まって、新たなスター誕生に横浜スタジアムは大いに沸き立った。
だが、その勢いも長くは続かなかった。4月に入ると、5日の巨人戦でマルチ安打を記録したものの、8試合中4試合で無安打。32打数5安打の打率.156と、ピタリとあたりが止まってしまったのだ。
左投手に打率.105と弱点露呈?
急失速の原因は明らかで、左投手に苦戦しているのだ。ここまで右投手には25打数8安打の打率.320と好成績を残しているが、左投手には19打数2安打の打率.105と打ちあぐねている。
塁に出て得点する役割を担う1番打者に対して、出塁させないために厳しくマークするのは当然のことだろう。さらに、オープン戦から打ちまくり大きな注目を浴びていただけに、各球団が念入りに対策や研究を積み重ねたことは想像に難くない。
特に左投手との対戦では、外角へのボールの出し入れに打つ手なく凡退してしまっており、すでに攻略法を見つけられた感がある。早くもあぶりだされた弱点を克服しない限り、浮上の糸口をつかむことは難しいだろう。
2014年に新人として初のオープン戦首位打者に輝いた井上晴哉(ロッテ)も、新人では64年ぶりの開幕4番に抜擢されたが、結局その年は36試合に出場して打率.211、2本塁打と苦しんだ。それでも井上は2018年に初めて規定打席に到達。4年間プロの壁に阻まれ続けながらも、なんとか一軍定着へとたどり着いた。
度会はどのようにしてプロの壁を乗り越えていくのだろうか。オープン戦で披露していた巧みなバットコントロールに、開幕から2戦連発したパンチ力を兼ね備える打撃能力の高さは誰もが認めるところ。プロの一流投手への対応力を身に着け、「ハマの一番星」となる日もそう遠くはないはずだ。
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