開幕へ準備万端のおかわり君
今季、通算500本塁打達成を目指す西武・中村剛也内野手(40)が、ここまで順調な仕上がりを見せている。19日に行われた広島とのオープン戦(ベルーナドーム)で、8回の第4打席にオープン戦1号となる決勝2ランをレフトスタンドに運んだ。
この日は初回の第1打席にも先制の犠牲フライを放っており、チームの全得点を自らのバットでたたき出した。「打ったのはスライダーです。打ててよかったです」とホームラン後に出たお決まりのコメントからもその順調ぶりがうかがい知れる。
プロ23年目を迎える今季は昨年同様、B班(二軍)で春季キャンプをスタート。12日の中日とのオープン戦から同期の栗山巧とともに一軍へ合流すると、ここまで5試合に出場して打率.300、1本塁打、3打点をマーク。10日後に迫るシーズン開幕へ向け、着々と状態を上げてきている。
40代のシーズン30発超えはわずか4人
通算471本塁打を誇るベテランは、今季の目標に30本塁打と500号到達を掲げている。ただ、これまでのプロ野球の歴史の中で、40代でシーズン30本超えを達成した選手は、王貞治、門田博光、タフィ・ローズ、山﨑武司のわずか4人しかいない。
【40代でシーズン30本塁打超えを達成した選手】
王貞治 1980年(40歳)30本
門田博光 1988年(40歳)44本、1989年(41歳)33本、1990年(42歳)31本
タフィ・ローズ 2008年(40歳)40本
山﨑武司 2009年(41歳)39本
中村自身がシーズン30本塁打に到達したのは、2019年(30本)が最後。昨季は88試合に出場し、チーム最多の17本塁打を放った。不惑を迎えた中では十分な数字を残したが、昨季のリーグ最多本塁打が26本だったことも加味すると、今季掲げた目標はかなり高いハードルと言える。
ただ、昨季は4月に7本塁打を量産したが、5月に右脇腹を痛めてしまい、7月までの3か月間でわずか2発と大幅にペースダウンしていた。シーズンをケガなく過ごし、得意のおかわりを連発できれば、5年ぶりのシーズン30本塁打と500本塁打達成も十分射程圏内に入ってくるだろう。
プロ野球の長い歴史の中で通算500本塁打を達成したのはわずか8人。不惑の大砲は有言実行で、今季中に稀代のホームランアーティストたちの仲間入りを果たすことができるか注目だ。
【NPB通算500本塁打達成者】
王貞治 868本
野村克也 657本
門田博光 567本
山本浩二 536本
清原和博 525本
落合博満 510本
張本勲 504本
衣笠祥雄 504本
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