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阪神・岡田彰布監督の野球人生、現役時代の活躍と指導者としての実績

2023 8/30 06:00SPAIA編集部
阪神の岡田彰布監督,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

1979年ドラフト6球団競合で阪神入り

ペナントレースもいよいよ佳境を迎える2023年のプロ野球。18年ぶりの優勝を目指す阪神タイガースを率いるのが岡田彰布監督だ。選手の能力を最大限に引き出す眼力と采配、さらに独特の語録でも話題をさらう指揮官の現役時代を振り返ってみたい。

1957年11月25日、大阪で産声を上げた岡田彰布は、北陽高(現関大北陽)時代の1年夏に甲子園出場。準々決勝で今治西に敗れた。3年夏は大阪大会決勝で興国に敗れ、甲子園出場は一度きりだった。

卒業後は早稲田大に進学。2年秋に三冠王に輝くなど東京六大学通算117安打、20本塁打、81打点、打率.379をマークし、1979年ドラフトで当時史上最多となる6球団競合の末、阪神に入団した。

アマチュア時代はサードを守っていたが、当時の阪神には「ミスター・タイガース」掛布雅之が君臨していたため、岡田はセカンドにコンバート。1年目からオールスターゲームに選出され、第1戦では22歳7カ月の最年少で代打本塁打を放った(2015年第2戦で19歳11カ月の森友哉が更新)。

結局、ルーキーイヤーは108試合に出場して打率.290、18本塁打、54打点。チームでは1969年の田淵幸一以来となる新人王に輝いた。

2年目の1981年は130試合フル出場して20本塁打、1982年には打率.300をマーク。1983年から84年にかけてケガで離脱した時期もあったが、入団以来の2桁本塁打は継続し、キャリアハイとなる1985年を迎えた。

1985年は打率.342、35本塁打、101打点

吉田義男監督が就任した1985年、プロ6年目の27歳は5番セカンドで打ちまくった。4月17日の巨人戦(甲子園)では、3番ランディ・バース・4番・掛布雅之に続きバックスクリーン3連発。8月は打率.429、10本塁打、31打点の活躍で自身初の月間MVPに輝いた。

さらに9月15日の中日戦(甲子園)でサヨナラ2ラン、翌16日にも2試合連続の劇打となるサヨナラ中前打。最終成績は打率.342、35本塁打、101打点の好成績で21年ぶりリーグ優勝に大きく貢献した。球団初の日本シリーズ制覇も果たし、同年は現役選手として野球人生のピークと言っていいだろう。

岡田は翌1986年も主軸として活躍し、打率.268、26本塁打、70打点をマーク。掛布は1988年に33歳の若さで引退したが、岡田は1991年まで12年連続2桁本塁打を放った。

しかし、新庄剛志、亀山努が大フィーバーを巻き起こした1992年。34歳となった岡田は衰えを隠せず、70試合出場で打率.189、2本塁打、19打点に終わり、翌1993年は42試合出場で打率.170、1本塁打、7打点とさらに成績を落とした。

オフに自由契約となった岡田はオリックスに移籍。1994年は53試合、リーグ優勝した1995年は32試合に出場したが、日本シリーズでの出番もなく現役を引退した。

生涯成績は1639試合出場、打率.277、1520安打、247本塁打、836打点、76盗塁。1985年にはベストナインとダイヤモンドグラブにも輝いたが、タイトルには縁がなかった。

2005年に監督として優勝

引退後もユニフォームは脱がず、1996年にそのままオリックスの二軍助監督兼打撃コーチに就任。1998年から古巣・阪神の二軍助監督兼打撃コーチとして復帰し、その後、二軍監督や一軍内野守備走塁コーチを務めた。

2003年に優勝した星野仙一監督が勇退したため、同年オフに監督就任。2年目の2005年に「JFK」と呼ばれたジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之の鉄壁のリリーフ陣を形成して2年ぶりのリーグ優勝を果たした。

2008年は開幕ダッシュに成功して首位を独走していたが、北京五輪に新井貴浩、矢野輝弘、藤川球児を招集された影響などもあって夏場から失速。最大13ゲーム差をつけていた巨人に逆転で優勝をさらわれ、同年限りで辞任した。5シーズンの監督通算成績は393勝307敗18分け。1年目の2004年こそ4位だったが、2年目以降はいずれもAクラスだった。

2010年から3シーズンはオリックスの監督を務め、5位、4位、6位。オリックス時代の通算成績は188勝214敗21分けだった。

15年ぶりに阪神監督に復帰した今季。5月13日のDeNA戦で監督通算600勝を達成し、8月23日の中日戦では阪神監督として歴代3位の松木謙治郎に並ぶ460勝目を挙げた。このままペナントレースを制すれば、阪神では球団史上4人目の複数回優勝した監督となる。

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