重要性を増すクローザー
投手の分業制が確立され、中継ぎ、リリーフ陣の重要性は年々増している。広島には歴代のチームを支えてきた名クローザーが多い。主なクローザーとその成績が下の表だ。
投手の分業制が確立され、中継ぎ、リリーフ陣の重要性は年々増している。広島には歴代のチームを支えてきた名クローザーが多い。主なクローザーとその成績が下の表だ。
通算206勝193セーブをマークした江夏豊がクローザーとして一躍、名を上げたのが「江夏の21球」として語り継がれる1979年の日本シリーズだ。最終第7戦の9回裏無死満塁のピンチを見事に切り抜け、胴上げ投手となった模様を山際淳司が書き上げたノンフィクションは今も色褪せていない。
広島在籍はわずか3年だったが、通算23勝55セーブを挙げて2度の優勝に貢献。その後も日本ハム、西武で活躍し、最優秀救援投手に5度輝くなど球史に残る名左腕だった。
「炎のストッパー」と呼ばれた津田恒実も忘れられない名リリーフだった。プロ1年目の1982年は先発として11勝を挙げて新人王に輝いたが、その後はケガに苦しみ、1986年にクローザーに転向。1989年には28セーブを挙げてタイトルを獲得するなど通算90セーブをマークした。
1993年7月20日、球威抜群のストレートで一時代を築いた剛腕は32歳の短い生涯を閉じた。
佐々岡真司はルーキーイヤーに13勝17セーブを挙げ、2年目は先発に転向して17勝で最多勝。5年目のシーズン中にリリーフに復帰すると、その後は先発、リリーフをともに務めて通算138勝106セーブをマークした。
軟式の出雲市信用組合からプロ入りした大野豊も先発、リリーフで活躍した。カープひと筋22年で通算148勝138セーブ。1991年には最優秀救援投手に輝いた。
小林幹英は1年目の1998年に18セーブを挙げるなど通算19勝29セーブ。澤崎俊和は1年目に12勝を挙げて新人王に輝き、3年目の1999年には14セーブをマークした。
カープで歴代最多となる通算165セーブを挙げたのが永川勝浩。188センチの長身から投げ下ろすストレートと大きいフォークでクローザーとして活躍した。2006年から4年連続25セーブ以上をマーク。2008年にはキャリアハイとなる38セーブをマークした。
ソフトバンクのイメージが強いデニス・サファテも来日して2年間はカープでクローザーを務めた。1年目の2011年は35セーブをマーク。2年目も9セーブを挙げ、2013年は西武に移籍、2014年からソフトバンクでプレーした。2017年には現在もNPB記録の54セーブを挙げるなど通算234セーブをマークした。
2012年から3年間クローザーとして活躍したのがキャム・ミコライオ。3シーズンで通算11勝73セーブ51ホールドを挙げ、2015年に楽天へ移籍した。
2016年からリーグ3連覇した時のクローザーが中﨑翔太。3年連続で胴上げ投手になるなど、2022年終了時点で通算115セーブを挙げている。
ドミニカのカープアカデミー出身で、2018年にカープに入団したヘロニモ・フランスアは、2019年に中﨑翔太の代役でクローザーを務めて12セーブ。翌2020年は19セーブを挙げるなど通算32セーブをマークした。
トヨタ自動車からドラフト1位で入団した栗林良吏は2021年、新人記録となる開幕から22試合連続無失点をマーク。同年は東京五輪にも出場し、37セーブを挙げて防御率0.86という文句のない成績を残した。オーバースローから投げ込むストレートと鋭く落ちるフォークで、今後もクローザーとして長く活躍することが期待される。
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