打線強化へ新助っ人キブレハンを獲得
4月29日、ヤクルトは新外国人選手として、パトリック・キブレハンの獲得を発表した。米国出身のキブレハンは右投げ右打ちの外野手、メジャーでは主にライトを守っていたが、ファーストやサードを守った経験もある。16年にパドレスでメジャーデビューし、メジャー通算成績は137試合で打率.208、10本塁打、30打点。昨年の東京五輪では米国代表に選出され銀メダル獲得に貢献した。今季からホワイトソックス傘下の3Aに所属していたが、4月に自由契約となっていた。
ヤクルトはここまで30試合を戦い、首位・巨人と1.5ゲーム差の2位と好位置につけている。ただし、打線は低調で、チーム本塁打こそリーグ2位の27本だが、得点はリーグワーストの阪神と6点差の109(リーグ3位)、打率に至ってはリーグワーストの.224と、昨年リーグダントツの625得点を記録した圧倒的な打力は影を潜めている。
特に痛手となっているのが、開幕から主に5番を務めていたドミンゴ・サンタナの離脱だ。開幕から10試合で打率.343、4本塁打、10打点と好調だったが、下半身のコンディション不良のため帰国。4月26日には左半月板のクリーニング手術を行ったことも発表されており、早期復帰は難しい状況となっている。
それだけに、キブレハンにかかる期待は大きい。では、この新助っ人はどういった特徴を持つ選手なのだろうか。
MLBでは平凡も、マイナーでは長打力発揮
まずはMLB成績を見ていきたい。キブレハンはMLB通算で137試合に出場、250打席に立ち、打率/出塁率/長打率が.208/.308/.398と、特に優れた実績は残していない。また、BB%(四球数÷打席数)は10.4%と平凡な一方、K%(三振数÷打席数)は32.4%と高く、三振の多いバッターのようだ。
ただし、この成績は主に2017年(115試合に出場)に残したもので、昨季はMLBでの出場はわずか5試合8打席のみで、マイナーを主戦場としていた。そのため、マイナーでの成績も見ていきたい。
3Aでは通算2201打席に立ち、打率/出塁率/長打率が.263/.325/.488の成績。パドレス傘下にいた昨季も364打席で.261/.316/.508、BB%は7.1%、K%は27.5%で、出塁というよりも、長打力が持ち味の選手と言える。ただ、マイナーレベルでも圧倒的な成績を残していたわけではなかった。
では、日本ではどの程度の活躍が期待できるのだろうか。参考となるのが、今季西武に加入したブライアン・オグレディだ。昨季はキブレハンと同じパドレス傘下の3Aに所属。328打席で.281/.366/.547の成績を残していた。オグレディは左打ちのため単純に比較はできないが、キブレハンの方が出塁、長打ともにやや劣るレベルと昨年の成績からは言えそうだ。
オグレディは西武で今季33試合に出場して.261/.336/.429(リーグ12位/11位/6位)と、リーグ上位の長打力を発揮。リーグ1位の11ニ塁打を記録するなど中距離ヒッターとして活躍している。昨年の実績でやや劣るとはいえ、キブレハンにも同程度の活躍を見込んでもいいだろう。
サンタナの代役を期待するのは少し酷かもしれないが、充分に日本で活躍する可能性を秘めている。早期にチームへ合流し、打線の起爆剤となることを期待したい。
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