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去就未定の3投手に迫る「球界の正月」二軍成績は抜群なのになぜ?

2022 1/19 11:00小中翔太
楽天時代の牧田和久,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

二軍で3年連続奪三振率13超えの石崎剛

ポジションが重なれば1人しか出られない野手と違い投手は何人いても困らない。しかしキャンプインが目前に迫りながら一軍実績も十分でまだまだやれそうな投手の去就が決まらない。

力強いストレートが魅力の石崎剛(31=前ロッテ)は2019年のシーズン途中にトレードで阪神からロッテに移籍した。新天地での活躍を期待されたが思うような結果を残せず。昨季はプロ入り後初となる1軍登板なしに終わった。

ただファームでは26試合に登板して3勝0敗、防御率1.19の好成績を残している。しかも30回1/3を投げて奪った三振数は44個。奪三振率は13.05と非常に高い。

昨季、セーブを挙げた投手の中で奪三振率が13以上だったのは13.93の栗林良吏(広島)だけ。石崎は2019年から3年連続で奪三振率13を超えており、ファームでは格の違いを見せつけていた。

2017年WBCに出場した秋吉亮

金銭面が獲得のネックとならないようノンテンダーという形で自由契約となった秋吉亮(32=前日本ハム)にもまだ吉報は届いていない。入団したヤクルトではルーキーイヤーにチームトップの61試合に登板し、2年目の74試合と3年目の70試合はどちらもリーグトップ。2017年のWBCでは侍ジャパンのメンバーとしても活躍した。

2018年オフにトレードで日本ハムに移籍すると抑えとして25セーブを挙げた。昨季は10試合登板と出場試合数を減らしたものの、夏場には一流選手の証である国内FA権を獲得した。

ファームでは27試合で1勝0敗3セーブ、防御率3.29と安定しており、27回1/3で27奪三振。一軍でも10回で8奪三振とサイドの変則タイプながら、ほぼイニング数と同じだけの三振を奪っている。

メジャー帰りのサブマリン牧田和久

海を渡ったアンダースロー、牧田和久(37=前楽天)も待つ日々が続く。西武時代は先発、中継ぎ、抑えとあらゆる場面で腕を振り、2013年と2017年のWBC、2015年のプレミア12では日の丸も背負った。

2018年にメジャー挑戦し、2020年からは楽天へ。NPB復帰1年目は52試合で2勝2敗2セーブ、防御率2.16の活躍でブルペンを支えた。昨季は17試合登板のみと不本意なシーズンとなったがファームでは29試合で2勝1敗3セーブ、防御率0.33と結果を残していた。内容的にも27回2/3で26奪三振と申し分ない。

年齢的に大幅な成長を見込める可能性は低いが、即効性のあるブルペン補強としては十分なはず。2月1日まで残り2週間弱。一軍での実績もありファーム成績抜群の3投手は、野球界の正月をどのような立場で迎えるのだろうか。

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