投手陣はリーグ屈指も中継ぎ投手が流出の可能性
今シーズンの中日は昨シーズンのAクラス入りから一転して、苦しい戦いが続いている。シーズンが終了していない段階であるにも関わらず、すでに次期監督候補者の報道が先行しているほど。チーム状況は明らかによくない。
そのチームを立て直すためにも、10月11日に行われるドラフト会議での指名は重要となる。まずは現在のチームでどのようなポジションが不足しているのか年齢分布図をもとに確認してみたい。
投手陣はチーム防御率3.23でセ・リーグトップと安定。先発投手を見ると、大野雄大と柳裕也という左右の軸がしっかりしている。その他のローテーション投手を見ても福谷浩司、勝野昌慶、小笠原慎之介、松葉貴大ら左右ともに20代中盤から30代前半で固まっているのも心強い。
岡野祐一郎、梅津晃大、清水達也、笠原祥太郎らその他の先発ローテーション候補になりうる投手も豊富だ。
次世代を担う先発候補としては昨年のドラフト1位である高橋宏斗が、1年目から二軍で14試合(34.2回)に登板した。防御率7.01と打ち込まれたものの、最終登板となった9月30日のソフトバンク戦で4回無失点と好投。順調に階段を上っている。
小笠原慎之介に続く左腕が高卒1年目の福島章太1人だけしかいない点が気がかりなくらい。先発タイプの左腕は加えておきたい。
一方で中継ぎ陣は不安がある。守護神のR.マルティネスはキューバから派遣されている選手で、シーズンオフにキューバ政府との交渉がある。セットアッパーの祖父江大輔と又吉克樹の両右腕も国内FA権を今年取得した。球団は全力で引き止めるだろうが、備えとして中継ぎタイプの投手を指名しておきたいところだ。
外野手の高齢化が不安
捕手は木下拓哉が正捕手に定着した。A.マルティネスや郡司裕也、石橋康太といった打撃型の若い選手も豊富。支配下で獲得する可能性は高くない。あっても下位指名だろう。
内野手はビシエドの去就が不透明ではあるが、仮に退団してもその役割をドラフトで埋めることは不可能に近い。外国人選手の補強であてがうのが自然。
その他の選手も主力は左右ともに20代後半から30代前半となっており不安は少なく見える。しかし、そのなかで阿部寿樹が離脱したことで二塁を固定できず1年間苦しんだ。この二塁は補強ポイントの一つとなる。
外野手は大ベテランの福留孝介がクリーンナップでスタメン出場する機会が多い。また今シーズンは出番の少なかった平田良介も持病を公表。パンチ力のある福田永将も30歳を超え、大島洋平もすでにベテランの域に達している。
根尾昂が内野との併用で外野起用されているが、現時点でレギュラーを脅かすほどのインパクトは残していない。これらの要素を踏まえると、打撃型の外野手の獲得は必須。即戦力と素材の両タイプを獲得したいところだ。
ドラフト1位入札は強打の外野手へ
現在のチーム状況及び年齢分布図を見ると、上位指名で長打力のある外野手の指名が必須。
ドラフト1位では長打力を秘めた外野手のブライト健太(上武大)や正木智也(慶応大)が候補となる。2位以降では高校生で前川右京(智弁学園高)や吉野創士(昌平高)らもパワーに魅力がある。地元志向が強いことを考えると、二刀流の田村俊介(愛工大名電高)も候補に挙がってくる。
二遊間では遊撃手が本職の水野達稀(JR四国)や野口智哉(関西大)も面白い存在。二塁で起用しながら、将来的に京田の後釜という青写真も描くことができる。
1位で野手を指名すると必然的に投手は2位以下での指名となり、目玉選手の獲得は難しい。そのなかでは左腕の森翔平(三菱重工West)に笠原の後輩に当たる桐敷拓馬(新潟医療福祉大)が候補となる。
中継ぎ投手では横山楓(セガサミー)や川瀬航作(日本製鉄広畑)、八木玲於(Honda鈴鹿)、石森大誠(火の国)といった社会人や独立リーグ出身の即戦力候補が狙い目だ。近年の中日を支えている中継ぎ投手陣に福敬登(JR九州)、祖父江(トヨタ自動車)、又吉(四国IL香川)といった社会人や独立リーグ出身者が多いのも心強い。
強竜打線を復活させるためにも強打の野手を上位で獲得した上で、二遊間と投手陣の層も厚くするドラフトができるか注目だ。
※表の年齢は2021年の満年齢
※育成選手、引退及び戦力外が発表された選手は含まず(10月8日時点)
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