DeNA課題の先発ローテーション
ようやく開幕を迎えようとしているプロ野球。今季から2020年代という新たな時代へ突入することになるが、将来10年間の戦いを見据えたうえで、各チームの命運を握ることになりそうな選手に注目していきたい。今回はDeNAの2年目右腕・上茶谷大河を取り上げる。
平成の終わりに暗黒期を抜け出し、近年はAクラスの常連となりつつあるDeNA。現在のチーム状況を見ると、1998年以来遠ざかっているリーグ優勝達成のカギとなるのは、先発投手ではないだろうか。
昨季のチーム先発防御率4.04はリーグ5位、先発投手の平均投球回5.1回はリーグワーストだった。投球回の短さは、リリーフ投手を先発で起用して短いイニングを投げさせる「ブルペンデー」を、ラミレス監督が積極的に採用した影響もある。
ただ、ラミレス監督が就任した2016年以降の先発投手個々のデータを振り返ってみると、シーズン100投球回以上を投げた投手の人数は4人、5人、1人、2人と推移。ここ最近の2年間は、先発投手の運用に苦慮していたことがわかる。
守護神の山﨑康晃を中心とする強力なブルペンはチームの強みだが、ここ数年フル回転が続くリリーフ陣の勤続疲労も心配だ。先発陣の働きがこれから重要になってくるだろう。
その先発候補はエース今永昇太を中心に、昨季6勝の濵口遥大、今季先発転向予定の石田健大、若手の櫻井周斗やドラフト2位ルーキーの坂本裕哉と左腕が非常に多い。バランスを考えると右腕もほしいところだろう。
そこで、今後ローテの柱として大きな期待がかかるのが、2018年ドラフト1位指名で入団した上茶谷大河だ。