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ロッテ・フローレスは育成契約の外国人選手として球団初の成功例となるか

2020 4/1 11:00勝田聡
千葉ロッテマリーンズのホセ・フロ−レスⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

実績者が揃う外国人枠の争いは熾烈

3月31日、ロッテは育成契約中だったホセ・フローレスを支配下登録したことを発表した。フローレスは2019年に来日しルートインBCリーグの富山GRNサンダーバーズでプレーし、22試合の登板で9勝7敗、防御率2.00の結果を残していた右腕だ。

昨年12月末にロッテと育成契約を結び、春季キャンプでは同じく育成契約の外国人選手であるホセ・アコスタエドワード・サントスとの2人と争ってきた。その競争を勝ち抜き、わずか2ヶ月ほどで支配下登録を手繰り寄せた格好だ。

球団を通じて「先発でも中継ぎでも指示があるところで投げます」と力強いコメントを残しており、次は一軍での登板機会を目指すことになる。しかし、その道は決して楽なものではない。

ロッテの外国人にはブランドン・レアードレオネス・マーティンのレギュラー格の野手2人に加え、フランク・ハーマンジェイ・ジャクソンチェン・グァンユウの3人の投手がいる。つまりフローレスは支配下としては6人目の外国人選手となるわけだ。野手のレアードとマーティンはすでに一軍でも実績があり、大きなアクシデントがない限りはレギュラーの座も固い。

残り2枠をハーマン、ジャクソン、チェンと争うわけだが、この3人もNPBでの実績がある。ジャクソンは昨シーズンこそNPBでプレーしていないが、2016年から2018年までの3年間は広島でプレーし、セットアッパーとして3連覇に貢献していた。フローレスにとっては高い壁となる。

近年は外国人選手を育成しながら、数年後の戦力としてプレーさせることもある。だが、今年31歳になるフローレスは、長い目で見るということにはならないだろう。早い段階で結果を出すことが求められるため、まさに1年目から勝負となる。

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ロッテの育成出身者では西野勇士と岡田幸文が代表格

ロッテにおいて過去の育成契約から支配下登録を勝ち取った選手を振り返ると、西野勇士と岡田幸文という大成功例がある。

西野は2008年の育成ドラフト5位で指名を受け入団。支配下登録は2013年と少し時間はかかったが、これまでに抑え、先発と複数の役割をこなしながら233試合に登板し、日本代表への選出経験もある。昨シーズンも37試合(先発6試合)に登板し、防御率2.96と結果を残している。

岡田は西野と同じ2008年の育成ドラフトで6位指名を受け入団。1年目の3月に支配下登録を勝ち取ると、2011年にはレギュラーを奪取し2度のゴールデングラブ賞にも輝いた。いずれも、育成ドラフト出身からの大出世といっても過言ではないだろう。

育成契約からスタートした外国人選手はどうだろう。ロッテで支配下登録された外国人選手は、2009年のフアン・ムニス外野手以来となる。ムニスは2009年2月に育成契約を締結すると、3月30日に支配下登録された。

1年目は一軍での起用はなかったものの、二軍では打率.342(263打数90安打)、15本塁打、57打点の好成績で首位打者にも輝いている。この活躍もあり2年目となった2010年は一軍での出場機会を得たものの、14試合で打率.136(22打数3安打)、0本塁打、1打点と苦しみ、チームの日本一に貢献することはできず、オフに退団した。

これまでのロッテを見ると西野、岡田と育成出身者から投手、野手ともに実績を残した選手が誕生しているが、外国人選手ではまだいない。フローレスが育成契約出身の外国人選手として、球団史上初めて結果を残すことができるだろうか。そのためにもまずは外国人枠争いを勝ち抜きたい。

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