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大谷翔平とダルビッシュ有の「メジャー1年目」を比較 奪三振率は大谷に軍配

2018 11/7 07:00SPAIA編集部
大谷翔平,ダルビッシュ有,ⒸSPAIA
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大谷翔平とダルビッシュ有の「メジャー1年目」

投手・大谷翔平のメジャー1年目は右ひじ靱帯損傷により、シーズンを通した活躍はできなかったが、少ない登板機会で大きなインパクトを残した。印象的だったのは奪三振の多さだ。100マイルのストレートと高速スプリットを中心とする投球で三振の山を築きあげた。

奪三振といえば、ダルビッシュ有が大リーグを代表する能力の高さを持っている。現在、大リーグでは田中将大、前田健太も先発投手で活躍しているが、タイプとしてはダルビッシュが大谷と近い存在になるだろう。

元・日本ハムの背番号「11」である両投手。投手大谷のメジャーデビューはダルビッシュと比べてどうだったか。いくつかの指標で2人のメジャー1年目を比較する。

大谷翔平VSダルビッシュ有成績

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奪三振率は大谷がダルビッシュ1年目より優秀

レンジャーズでメジャーデビューしたダルビッシュの1年目成績(2012年)は29登板・16勝9敗・防御率3.90・191.1回・221奪三振。奪三振数はア・リーグ5位と、1年目からメジャー屈指の奪三振能力を発揮した。

大谷翔平VSダルビッシュ有成績

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まずはその奪三振について、1試合(9イニング)あたりの平均奪三振数を表す「奪三振率(K/9)」に注目する。大谷の1年目成績は10登板・4勝2敗・防御率3.31・51.2回・63奪三振。ダルビッシュの奪三振率10.40に対し、大谷は10.97と上回った。

大谷翔平VSダルビッシュ有成績

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ダルビッシュは2年目に両リーグトップの277奪三振でタイトルを獲得し、2017年にはメジャー史上最速の通算1000奪三振という偉業を達成する。1年目成績として、限られた登板機会の中でだが、そのダルビッシュ以上の奪三振能力を発揮できたことは大谷の今後に大きな期待といえるだろう。

与四球率はダルビッシュのように向上が求められる

大谷は高い奪三振率をマークしたうえで、1試合(9イニング)あたりの平均与四球数「与四球率(BB/9)」もダルビッシュより低かった。ダルビッシュは4.19で、大谷は3.83。ただし、これはあまり優秀な数字とはいえず、両投手とも1年目の与四球率は日本時代から悪化した部分だ。

大谷翔平VSダルビッシュ有成績

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ダルビッシュは2年目3.43、3年目3.06、5年目2.78、6年目2.80と、怪我で不本意な成績だった今シーズンを除けば、年々与四球率を良化させている。「エース」と呼ばれる投手は、奪三振率が高いタイプでも与四球率は2.00台にとどめていることが多く、大谷も今後は制球力の向上が求められる。

また、その制球力と関係してくるところで、イニング平均投球数を見ると大谷16.51、ダルビッシュ16.55とほとんど変わらない数字だった。この指標は目安として、17球台以上なら球数が多く、15球台なら少ないタイプの投手という印象になる。

大谷翔平VSダルビッシュ有成績

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両投手とも、多くも少なくもないという印象だが、奪三振が売りの投手としては及第点といえるだろう。速球系がフォーシーム限定だった大谷は、ダルビッシュが1年目から投げていたツーシーム系の習得で投球数を減らせる余地もある。大谷が球種を増やすかどうかは復帰後に注目したいポイントのひとつだ。

防御率は大谷だが、「FIP」ではダルビッシュに軍配

奪三振、与四球に触れたとなると、セットで被本塁打も比較しておきたい。奪三振率、与四球率でダルビッシュより良い数字を残した大谷だが、被本塁打率は大谷の1.05に対し、ダルビッシュが0.66と低かった。

セイバーメトリクスには、これら投手の責任のみで決まる3部門の成績を基に疑似防御率を算出する「FIP」という指標がある。実際の防御率は大谷3.31、ダルビッシュ3.90と大谷が優秀。だがFIPは大谷3.57、ダルビッシュ3.29と被本塁打率が低いダルビッシュが優秀な結果となった。

大谷翔平VSダルビッシュ有成績

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FIPの有用性については、本塁打以外のフェアゾーンに飛んだ打球がヒットになる確立は、投手の力量よりも運の要素が大きいということが前提になっており、そのため安打を無視して疑似防御率を算出する。FIPと防御率の差が大きいと、運が大きく作用したということになり、翌シーズンの成績予想の参考になる。

実際、FIPよりも防御率が.061悪かったダルビッシュは、翌シーズンに防御率2.83と大きく成績を向上させた。今シーズンの大谷についてはFIPと防御率に大きな差はない。ある程度、投球内容通りの防御率が出た結果で、防御率3.31という1年目として十分優秀な成績はまぐれではなかったといえるだろう。

トミー・ジョン手術明けの球速は……

最後に、大谷のメジャー挑戦でやはり大きな話題のひとつとなった球速についても見ておく。もちろん、1年目で球速が速かったのは大谷の方だ。最高球速でメジャー日本人最速の162.7キロをマーク。平均でも155.6キロと1年目ダルビッシュより約5キロ速い球速を記録した。

大谷翔平VSダルビッシュ有成績

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大谷の高い奪三振能力は球速でダルビッシュを上回るストレートの威力によるところが大きいだろう。復帰後にどれだけ球速を戻せるのかは少し心配だが、2016年途中の復帰以降、約159キロまで最高球速をアップさせたダルビッシュのような例もある。大谷にもリハビリを経て、更なるパワーアップを期待したいところだ。

(本文作成:青木スラッガー)


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