大谷翔平がMVPの最終候補入り
全米野球記者協会(BBWAA)の会員が選出するMLB2024年シーズンの各賞最終候補が11日(日本時間12日)に発表された。
ドジャースの4年ぶりワールドシリーズ制覇で幕を閉じたメジャーリーグの2024年。そのシーズン総決算となる表彰の選考も佳境を迎えている。BBWAA表彰は「新人王」「最優秀監督賞」「サイ・ヤング賞」「最優秀選手賞(MVP)」の4部門で、受賞者発表が約1週間後に迫るこのタイミングで各賞の最終候補3名が明らかとなった。
日本人は大谷翔平(ドジャース)がナ・リーグMVPの最終候補に残ったのが唯一。ナ・リーグ新人王候補の一角だった今永昇太(カブス)は残念ながら最終候補入りを逃した。
各賞の受賞者発表予定と両リーグのMVP最終候補は以下の通り。
▼ 受賞者発表予定
11月19日(火) 新人王
11月20日(水) 最優秀監督賞
11月21日(木) サイ・ヤング賞
11月22日(金) 最優秀選手賞(MVP)
ナ・リーグ最優秀選手賞(MVP)最終候補
フランシスコ・リンドア(メッツ)
[今季成績] 152試 率.273(618-169) 本33 点91 盗29 OPS.844
1993年11月14日生まれの30歳、右投両打の遊撃手。攻守両面でチームを支え、『fangraphs』が算出するWAR(Wins Above Replacement)はMLB全体6位の「7.8」を記録した。
ケテル・マルテ(ダイヤモンドバックス)
[今季成績] 136試 率.292(504-147) 本36 点95 盗7 OPS.932
1993年10月12日生まれの31歳、右投両打の二塁手。今季は度重なる故障にも悩まされて出場数は136に留まったが、36本塁打・95打点はキャリアハイの成績だった。
大谷翔平(ドジャース)
[今季成績] 159試 率.310(636-197) 本54 点130 盗59 OPS1.036
1994年7月5日生まれの30歳、右投左打の投手だが今季は昨秋に受けた肘の手術によるリハビリ期間のため全試合に指名打者として出場した。
今季はドジャース移籍初年度、それも北米プロスポーツ史上最高額となる10年総額7億ドルという超大型契約を結んでの移籍とあって周囲の見方も厳しくなるなか、終わってみれば打率・本塁打・打点すべてでMLBキャリア最高の成績を叩き出し、史上初となる「50-50」(50本塁打・50盗塁)という大偉業も成し遂げた。
大谷はエンゼルス時代の2021年と2023年にMVPを手にしているが、この時はいずれも「投手兼指名打者」としての受賞だった。「指名打者のみ」での出場によるMVP獲得となると、こちらもMLB史上初の快挙となる。
野手一本、それも守備面で貢献度を稼ぐことができない指名打者でありながら、上述したWARはMLB全体3位の「9.1」をマークしている。個人としての数々の偉業に加え、ワールドチャンピオンという悲願も達成した充実のシーズンに「MVP」でもうひとつ華を添えることができるだろうか。
ア・リーグ最優秀選手賞(MVP)最終候補
アーロン・ジャッジ(ヤンキース)
[今季成績] 158試 率.322(559-180) 本58 点144 盗10 OPS1.159
1992年4月26日生まれの32歳、右投右打の外野手。本塁打58は前回MVPを受賞した2022年の62本を下回ったものの、打率と打点、OPSは2年前を上回るキャリアハイをマーク。WAR「11.2」は今季のMLB全体でNo.1の成績だった。
フアン・ソト(ヤンキース)
[今季成績] 157試 率.288(576-166) 本41 点109 盗7 OPS.989
1998年10月25日生まれの26歳、左投左打の外野手。昨オフのトレードでヤンキースに移籍、キャリア初のア・リーグ挑戦となったなかで本塁打41は自己最高を更新。得点128はリーグ1位、大谷に次ぐMLB全体2番目の好成績だった。
ボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)
[今季成績] 161試 率.332(636-211) 本32 点109 盗31 OPS.977
2000年6月14日生まれの24歳、右投右打の遊撃手。MLBデビュー3年目で初の打率3割をクリアし、本塁打32と打点109もキャリアハイの好成績と大きな飛躍を遂げた。WARも「10.4」で、今季のMLBで2ケタに到達したのはジャッジとウィットの2人だけ。チームを9年ぶりのポストシーズンに導く立役者となった。
各賞の最終候補
サイ・ヤング賞
<ナ・リーグ>
クリス・セール(ブレーブス)
ポール・スキーンズ(パイレーツ)
ザック・ウィーラー(フィリーズ)
<ア・リーグ>
エマニュエル・クレース(ガーディアンズ)
セス・ルーゴ(ロイヤルズ)
タリク・スカバル(タイガース)
新人王
<ナ・リーグ>
ジャクソン・チョウリオ(ブリュワーズ)
ジャクソン・メリル(パドレス)
ポール・スキーンズ(パイレーツ)
<ア・リーグ>
コルトン・カウザー(オリオールズ)
ルイス・ギル(ヤンキース)
オースティン・ウェルズ(ヤンキース)
最優秀監督賞
<ナ・リーグ>
カルロス・メンドーサ(メッツ)
パット・マーフィー(ブリュワーズ)
マイク・シルト(パドレス)
<ア・リーグ>
A.J.ヒンチ(タイガース)
マット・クアトラーロ(ロイヤルズ)
スティーブン・ボート(ガーディアンズ)
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