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澤村拓一は守護神の可能性も レッドソックスは絶対的クローザー不在

2021 2/17 17:00勝田聡
澤村拓一Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

ロッテ・井口資仁監督も祝福

海外FA権を行使しMLB移籍を目指していた澤村拓一のボストン・レッドソックス入りが決まった。2年契約で3年目は相互オプションと報じられている。

ロッテの井口資仁監督は「短い期間でしたが昨年の彼の活躍、存在は非常に大きかった。彼が得た権利で彼の選んだ道。アメリカでの活躍をとても楽しみにしています」と祝福。河合克美代表取締役オーナー代行兼社長も「彼の夢が実現することは非常に嬉しいこと。アメリカで夢の続きを開花させてほしいと思っています。在籍は短かったけれど、彼が入った事でファン、チームに凄いインパクトを与えてくれた。ロッテの沢村がメジャーでも活躍してもらえると非常に嬉しい。ぜひ頑張ってもらいたいと思います」とコメントした。

レッドソックスといえば、アメリカン・リーグ東地区の名門球団。本拠地のフェンウェイ・パークは1912年開場で最も古く、レフトスタンドにそびえるグリーンモンスターが象徴的だ。

2000年以降では30球団で最多となる4度のワールドチャンピオンに輝いている強豪だが、60試合制で行われた昨シーズンは24勝36敗で地区最下位に終わった。今シーズンは巻き返しを図るシーズンとなる。

そのなかで澤村は中継ぎとしての起用が見込まれ、現時点の陣容を見ると守護神になる可能性もある。

日本人の中継ぎでは岡島秀樹、田澤純一、上原浩治が世界一

多くの日本人選手が所属してきたレッドソックス。2007年に松坂大輔や岡島秀樹が所属1年目でチャンピオンリングを手にし、2013年には上原浩治がワールドシリーズで胴上げ投手となった。

他にも野茂英雄、大家友和、斎藤隆、田澤純一が在籍していたが、これまで野手の所属はない。

レッドソックスに所属した日本人選手ⒸSPAIA


澤村と同様に中継ぎとして起用された岡島、齋藤、田澤、上原の4人は、いずれも結果を残した。この4人全員がポストシーズンに進出し、斎藤をのぞく3人はワールドチャンピオンとなりチャンピオンリングを手にしている。

日本人の中継ぎ投手に対する悪いイメージはなさそうだ。

バーンズやオッタビーノは守護神経験に乏しい

現時点におけるチームの概要を見ると、野手はJ.D.マルティネス、ザンダー・ボガーツ、アレックス・ベルドゥーゴが中心。近年チームを引っ張ってきたひとりであるアンドリュー・ベニンテンディは、このオフにトレードで移籍している。

一方の投手陣はどうか。先発はエドゥアルド・ロドリゲスとネーサン・イオバルディ、ゲリット・リチャーズ、マーティン・ペレスが中心となる。その他にはマット・アンドリースやニック・ピベッタ、タナー・ハウクらも候補にあがる。

本来であればエースはクリス・セールだが、昨年3月にトミージョン手術を受けているため復帰は早くても6月以降。となれば、当面はエース抜きで戦わなければならない。また、2019年に19勝をマークしたロドリゲスも昨シーズンは新型コロナウイルスに罹患し全休していた。2年ぶりのMLB登板となると不安要素は大きい。

クローザーはマット・バーンズとなりそうだ。2016年から19年まで連続60試合以上に登板しているタフネス右腕で、昨シーズンは24試合の登板ながら、チーム最多の9セーブをマークした。しかし、シーズン通してのクローザー経験はなく押し出された形だった。

このオフにヤンキースからトレードで加入したことで話題となったアダム・オッタビーノは、ロッキーズとヤンキースで通算463試合に登板し、25勝28敗19セーブ127ホールドをマークしている。中継ぎとしての実績は豊富だが、バーンズ同様にシーズンを通してクローザーを任されたことはない。その他、ライアン・ブレイジャー、ダーウィゾン・ヘルナンデスらが中継ぎを固めることになる。

舞台は異なるが、クローザーとしての経験が乏しいバーンズやオッタビーノより、NPBで最多セーブのタイトルを獲得した澤村が抜擢される可能性は十分にありそうだ。

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