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夏の甲子園・ドラフト候補たちはどうだった?〜野手編〜

2018 8/26 13:00勝田聡
甲子園,ⒸSPAIA

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高卒外野手ながらドラ1候補・藤原恭大

今大会でもっとも注目を浴びていたと言えるのが藤原恭大(大阪桐蔭)だ。U-18日本代表には2年時の昨年から選ばれており、清宮幸太郎(現・日本ハム)らとともにプレーしていた経験もある。

昨年まではリードオフマンとして1番を任されることが多かったが、今春からは4番に座りポイントゲッターとしてチームに貢献してきた。今大会でも全6試合で「4番・中堅」としてフル出場。3本の本塁打を放ち、甲子園通算5本塁打と歴代4位タイに並んでいる。

また守備でも俊足を生かした広い守備範囲に、好返球も見せ攻守ともに揃った素材ということを改めて見せつけた。

これだけのインパクトを残せば、高校生の外野手とドラフト1位指名しにくい存在ではあるが、間違いなく入札はあるはずだ。11年ぶりとなる高校生外野手への1回目入札に期待したい。

<藤原恭大・甲子園成績>
6試合/打率.462(26打数12安打)/3本/11打点/2盗塁

《関連記事》大阪桐蔭・藤原、高卒外野手11年ぶりドラフト初回入札なるか

投手と遊撃手の二刀流・根尾昂

1年時から二刀流として注目を浴びていた根尾昂(大阪桐蔭)は今大会で野手として好成績を残した。6試合すべてに出場し打率は4割を超え、本塁打は3本と藤原同様にインパクトを残した。

また、マウンドに登らないときは遊撃手として起用されていたが、フィールディングは軽快で送球も安定し、動きも軽快だった。浜風に流される高く上がった飛球もしっかりとキャッチしており、その順応性の高さを見せつけた。

一方で投手としては2試合、13回を投げ防御率は4点台。140キロを超えるストレートを投げ込んでいたものの、野手としてのインパクトには及ばない。現時点における本人の意向はわからないが、プロ入り後は野手として起用されることが濃厚だ。

ネックとなりそうなのは177センチ・75キロとプロ野球選手としては大きくないことくらいだろうか。体格面の懸念はあるが、素材としては一級品。プロ志望届を出せばドラフト上位で消える存在なのは間違いなさそうだ。

<根尾昂・甲子園成績>
6試合/打率.429(21打数9安打)/3本/5打点/0盗塁
2試合/13回/13奪三振/3与四死球/防御率4.15

センス抜群の遊撃手・小園海斗

昨年から藤原とともにU-18日本代表入りしていた小園海斗(報徳学園)は初戦の聖光学院(福島)戦で1試合3二塁打の大会タイ記録に並んだが、その後の2試合ではわずか1安打と思うような結果を残すことはできなかった。

しかし、守備面では広い守備範囲と肩の強さをみせてくれた。三遊間、二遊間どちらのあたりにも反応は良く、捕ってからの送球も速い。攻守揃った逸材であることは間違いない。同じくドラフト候補の根尾よりも守備に関してはスペックが高そう。こちらもドラフト上位で指名されそうだ。

<小園海斗・甲子園成績>
3試合/打率.333(12打数4安打)/0本/0打点/1盗塁

近江の大砲・北村恵吾

藤原や根尾、小園と比べると地味な存在かもしれないが、大砲としての魅力溢れる選手がいる。近江(滋賀)の「4番・三塁」として4試合で12打点をマークした北村恵吾だ。

初戦となった智弁和歌山(和歌山)との一戦では、2本塁打4打点の活躍で選抜準優勝校撃破の立役者となった。2回戦の前橋育英戦(群馬)では先制の適時打を放つと、つづく常葉菊川戦(静岡)では4打数4安打6打点の大爆発をみせる。敗れはしたものの、金足農戦(秋田)でも6回に勝ち越しの適時打を放ち4試合連続となる打点を挙げた。

ドラフト1位候補ではないが、182センチ・83キロとガッチリとした体格から生まれるパワーは強烈。大砲候補ではあるが打率も残せており、ミートセンスもある。プロ志望届を出すことが濃厚となっており、ドラフト中位から下位での指名はありそうだ。

<北村恵吾・甲子園成績>
4試合/打率.529(17打数9安打)/2本/12打点/0盗塁

もちろん、今回取り上げた4人の他にもドラフト候補は数多くいる。また、これから志望届についてコメントを出す選手も増えてくるはずだ。その動向を見守っていきたい。

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