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【2017夏の甲子園】関西地区出場校レビュー

2017 8/2 11:22cut
高校野球
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滋賀県:彦根東高校(4年ぶり2回目)

3回戦で、滋賀学園高校(春のセンバツにも出場しプロ注目の選手を擁する)を3-2と接戦の末に下し、勢いに乗った彦根東高校
決勝では、昨夏甲子園出場の近江高校を4-1で破り、4年ぶり2回目となる甲子園出場を決めた。秋季大会では屈辱の1回戦敗退だった同校。春季大会で10年ぶりに優勝を決めた実力が、フロックでないことを証明した格好だ。
このチームはエースの増居翔太選手が中心となっており、決勝では9回2失点被安打2と完投勝利だ。準々決勝、準決勝と温存されていた実力を、決勝戦で思う存分発揮した。
増居選手は京大志望とも伝えられており、平日も練習後には大学受験に向け勉強に励んでいる。県内有数の進学校としても有名で、OBには評論家の田原総一朗氏らも名を連ねる。4年前の大会では初戦で敗退したが、まずは聖地で1勝を目指し、京大志望の2年生が甲子園で躍動することを大いに期待したい。

京都府:京都成章高校(19年ぶり3回目)

名門・龍谷大平安高校を決勝で破った京都成章高校が、19年ぶり3回目の甲子園出場を果たした。 19年前は決勝に進出したものの、横浜高校の松坂大輔選手(現ソフトバンク)にノーヒットノーランを食らった同校。完全なる引き立て役として甲子園史に残っており歴史を更新したいところだ。
秋季大会は北嵯峨高校に2回戦敗退と振るわなかったが、春季大会でベスト8進出し、今夏の予選でみごと栄冠を勝ち取った。そのチームを支えるのはエースの北山亘基選手だ。182センチの長身から放たれるストレートは最速142キロを誇る。予選では49イニングで60三振を奪うなど奪三振能力が高い。
京都府勢は現在、春夏通算で196勝をマークしており4勝で大台の200勝に手が届く。プロ注目の右腕を軸に4勝を挙げ、1998年越えとなる全国制覇を目指す。

大阪府:大阪桐蔭高校(3年ぶり9回目)

春のセンバツ王者である大阪桐蔭高校が、3年ぶり9回目の夏の選手権出場となった。
センバツでは決勝で相まみえた履正社高校との大阪大会準決勝。この試合は、事実上の決勝戦とも呼ばれ、大きな注目を浴びていた。序盤からリードを許した大阪桐蔭高校だが慌てずに1点ずつを返し、5回表に3-3の同点に追いつく。その後再びリードを許したものの、センバツと同じく終盤に大量5点を奪い10-4と勝ち越しに成功。最終回に4点を奪われたが10-8で粘る履正社高校を振り切った。
決勝戦では公立高校の大冠(おおかんむり)高校に一時リードを許すも、逆転勝ちで甲子園切符を手に入れている。
3年生にはエースの徳山壮磨選手、山本ダンテ武蔵選手、2年生の根尾昂、山田健太選手らとタレント候補が多数そろっており、優勝候補となるのは間違いない。また、史上初となる2度目の春夏連覇達成へ期待も掛かる。
連覇へ向けての鍵となるのは投手陣となりそうだ。酷暑の中で夏の選手権の厳しい日程を1人で勝ち抜くのは至難の業。徳山選手に次ぐ柿木蓮選手らの奮起にかかる。昨夏はエースを温存したチームが2回戦、3回戦で続々と敗退。ほぼ1人で投げ抜いた作新学院高校の今井達也選手(現西武)、北海高校の大西健斗選手(現慶應大学)が決勝で投げ合うこととなった。どの試合で徳山選手を温存するか、もしくは連投させるのかなど西谷浩一監督の采配にも注目したい。

兵庫県:神戸国際大付属高校(3年ぶり2回目)

春のセンバツ4強の報徳学園高校と準決勝で対戦。
2-1と僅差のゲームをものにした神戸国際大学付属高校が決勝で、3年連続決勝進出となった明石商業高校を4-0で撃破し、3年ぶり2回目の甲子園切符を勝ち取った。見事、秋の近畿大会準優勝で春のセンバツ出場も果たした地力を見せつけた。
センバツでエースとして活躍した黒田倭人選手が不調のため、エースナンバー「1」を代わりに背負った岡野佑大選手が準々決勝から3試合連続完投勝利と、好投を見せた。
決勝では明石商業高校相手に被安打3で完封勝ち。今夏もエースナンバーを背負うことになりそうだ。
また、プロ注目の「打てる捕手」候補である猪田和希選手も絶好調で、決勝では今予選4本目の本塁打を放つなど攻守にわたりチームを引っ張っている。
バッテリーを中心に、春のセンバツ初戦敗退となった雪辱を果たしたい。

奈良県:天理高校(2年ぶり28回目)

奈良県の強豪・天理高校が2年ぶり28回目の夏切符を手に入れた。
4季連続での甲子園出場をねらっており、昨春のセンバツ覇者でもあった智弁学園高校を準決勝で、8-7のルーズベルトゲームの末に撃破。決勝では奈良大付属高校を2-1とロースコアの接戦で制している。昨秋、今春とも奈良大付属高校に敗れており、最後の最後で雪辱を果たすことに成功した。
2015年秋に就任した元近鉄バファローズの中村良二監督が、悲願の甲子園を達成した形となった。中村監督は1986年に夏の選手権を制覇した際の主将でもあり、選手、監督としての全国制覇を狙う。
チームの主軸は、4番を務める神野太樹選手だ。1年夏からベンチ入りを果たした大器が最上級生となりチームを引っ張っている。勝負を決める2点目の適時打を放つなど、決勝でも勝負強さを発揮している。甲子園でも十分に実力を発揮してほしい。

和歌山県:智弁和歌山高校(2年ぶり22回目)

県内有数の強豪である智弁和歌山高校が、2年ぶりに夏の甲子園へ戻ってきた。
県内最多となる22回目の出場でもあり、和歌山県の常連校と言っても過言ではない。1997年に夏の選手権を制覇した際の主将で、後にプロ野球の阪神タイガース、東北楽天ゴールデンイーグルス、読売ジャイアンツと3球団で活躍した中谷仁コーチが今年度から就任し、1年目からコーチとして結果を残した格好だ。そんな名門チームを率いるのは、甲子園通算63勝の名将・高嶋仁監督だ。すでに71歳となっているが、いまだに采配を元気に振るっている。教え子である中谷コーチとのタッグで優勝を目指したい。
そんなチームのエースは黒原拓未選手。準々決勝、準決勝と中継ぎとしての起用だったが、決勝では先発として登板。8回途中2失点、被安打7の内容で紀央館高校を封じ込め、みごとに勝利をたぐり寄せた。
また、1年時からベンチ入りを果たしているスラッガーの林晃汰選手にも注目が集まる。春季大会では腰痛もあり、スタメンを外れる試合もあったが、夏の予選で復活。チームの主砲としてナインを引っ張っていく。
2000年夏の選手権で、武内晋一選手(ヤクルト)らを擁し「史上最強打線」を形成。全国制覇を果たして以来の頂点を目指す。