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高校野球選抜2017、激戦を勝ち抜いたベスト4の一角、秀岳館

2017 5/15 09:56hiiragi
野球
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2017年第89回選抜高校野球大会、負けた試合も含め、4試合で失点7点と抜群のチーム防御率で準決勝まで勝ち上がった、九州代表熊本県の秀岳館について。チーム力や甲子園での実績に加え、準決勝までの戦いの跡を紹介するとともに夏の甲子園への展望に関しても触れてみたいと思う。

甲子園経験者が多い層の厚いチーム

秀岳館高校は、熊本県八代市にある1923年創立の私立高校だ。野球部創部は1956年、夏の選手権への出場は2011年と2016年の2回ある。春も同じく2回で、2013年と2016年に出場しており、2017年が2年連続3回目になった。2016年は春夏連続して準決勝に進出、決勝には進めなかったが、その時のメンバーが多数残っている。
ミート打法に徹した粘りの打線と、投手にはエース級の左腕、田浦文丸投手と川端健斗投手が揃った。攻守にバランスのとれた層の厚いチームとして、昨年以上を目指している。

理想的な勝利、1回戦大和高田市立高田商業高等学校戦

1回戦の対戦相手は、近畿代表奈良県の高田商業高等学校だった。高田商業は23年ぶり3回目の出場だ。
試合は秀岳館は川端投手、高田商業は古川響輝投手の先発で始まった。秀岳館は3回に1点を先行すると5回には満塁本塁打を含む猛攻を見せ一挙7点を奪う。その後7回にも3点を加え、先行、追加、ダメ押しの理想的な点の取り方で、守っては6回の1点に抑え11対1で勝利を収めた。秀岳館は選抜大会3回連続初戦突破を果たし、1回戦敗退は1度もない。

優勝候補の一角に競り勝った2回戦、関東代表栃木県作新学院高等学校戦

2回戦の対戦相手は、関東代表栃木県の作新学院高等学校だった。作新学院は2016年夏の選手権優勝校で、この大会でも優勝候補に挙げられている強豪だ。
試合は作新学院大関秀太郎投手、秀岳館田浦投手の先発で始まった。1回の表、2塁打を打たれ暴投も出て1点を先行されてしまう。しかし4回裏2本の2塁打と3塁打も出て、2対1と逆転すると、5回には貴重な追加点を挙げ、3対1と点差を広げる。守っては、作新学院の反撃を8回の1点だけに抑え、ベスト8進出を決めた。

波に乗る相手を下した準々決勝、関東代表群馬県の健大高崎戦

準々決勝の対戦相手は、関東代表群馬県の高崎健康福祉大学高崎高等学校だった。引き分け再試合を勝ち抜いて波に乗っているチームだ。
試合は秀岳館川端投手、健大高崎伊藤敦紀投手の先発で始まった。秀岳館は1回の表、3番木本凌雅選手の本塁打で2点を先行する。そして3回には1点、4回には一挙4点を加え、試合を決定づけた。6回7回と盗塁にエラーも絡み1点づつを取られたが、要所は川端投手がよく締めて、9対2の大差で準決勝に進出する。

優勝校に涙をのんだ準決勝、近畿代表大阪の大阪桐蔭高等学校戦

準決勝の対戦相手は、近畿代表大阪の大阪桐蔭高等学校だった。大阪桐蔭は3年連続9回目の出場で、戦前の予想では優勝候補2番手グループだった。
試合は大阪桐蔭徳山壮磨投手、秀岳館田浦投手の先発で始まった。試合は投手戦の様相を呈し、6回の表に大阪桐蔭が1点を先行、8回にも1点を追加する。秀岳館はいいところまで攻めるが、あと一本が出ず、8回に1点を返しただけで準決勝で敗退した。
とはいえ、田浦投手と川端投手の2枚看板は安定感抜群だった。粘りの打線には得点能力もあり、投打がうまくかみ合えば、夏の甲子園ではベスト4以上も狙えそうだ。

まとめ

2017年選抜高校野球ベスト4の秀岳館に関して、チーム力や甲子園での実績に加え、準決勝までの戦いの跡を紹介した。2017年選抜大会には熊本県から2校が選抜された。夏の甲子園では1県1校になり、厳しい県予選が待っている。投打にもう一回り厚みを持たせて、夏の甲子園ではひと暴れして欲しいものだ。